しかしそんなことが本当にあるのかなぁと、いまでも不思議に思っている。名の通ったジャーナリストだから全然ないとも言えないが、またまた宿泊先の向かいのホテルにKDDIの田中社長がいたので取材を申し込んだら快く受けてくれたというんだがね。
その田中社長はこのインタビューの中で、LTEは当然だがテザリングについても「やる」と明言している。突然のインタビューでここまで踏み込んで言うかな。記事が掲載されたのはiPhone5発表後の13日15時だが、話しているのはそれ以前だ。これはついにauがSBMとのiPhone5戦争に進撃のラッパを吹き鳴らしたということなんだろうと思った。
もともとLTEへの移行の理由は通信速度の向上もあるが、需要が爆発して3Gでは端末数をさばききれなくなってきていることが大きい。早く移行しないと無線ネットワークがパンクするといわれている。ところがここに、無線では解決できない問題がある。バックボーンなどと呼ばれることがあるが、有線ネットワークだ。
ケータイは無線なのになんで有線?と不思議に思う人も多いと思う。無理もないんだけど、実際のところケータイはトランシーバじゃないので、北海道の人と九州の人がケータイで話しているとき、電波が直接端末間で飛んでいるわけじゃない。北海道の端末は近くの基地局と無線でつながり、その先は有線の同軸ケーブルやら光ケーブルやら、もしかしたらマイクロウェーブという無線やら、いろんなものを経由して九州の人の端末に近い基地局までつながって、そこからようやく電波で九州の人の端末に届いている。
こういうふうにつながった回線の速度を決めるのは、一番遅いところだ。極端な話、途中の北海道とも九州とも関係のないどこかで回線が途切れたら、通話はできなくなる。データ通信はちょっと事情が違うけど、一番遅いところが全体の速度を決めること、途中1ヶ所でも切れたら通信が成り立たなくなることはおなじ。早い話、基地局とケータイの間が10メガで通信できる能力があっても、基地局から先の有線回線が1メガの速度しかなかったら通信速度は1メガ以上にはならない。簡単に言うと1メガの有線路に10メガでデータを送り込んだらあふれちゃうから、速度を1メガまで落とすしかないんだよね。
もちろん無線よりは有線路の方がずっと早いんだけど、ひとつの基地局が何台ものケータイを受け持つわけでしょ。いくら早くたって台数が多くなれば遅くなるよね。だからケータイの通信速度上げるには基地局の設備だけじゃなくその先の通信路全体のパワーアップが必要なのよ。ところが、実際にどうなのかデータがないからわからないものの、ふだん使っていてSBMのネットワークはずいぶん品質が悪いと実感する。品質というのはデータの流れる速度もあるけど、データを要求してから返答が返ってくるまでの時間が大変遅い。
これ、レイテンシとか呼ぶんだそうだ。アタシは最近この言葉を知ったので勉強不足なんだが、端末が「データくれ」と言ってから実際にサーバから「ほらよ」と返ってくるまでの遅延のことを指すらしい。もちろん電気の世界の話だからせいぜいミリ秒単位なんだけど、ブラウザでホームページを見る時なんて、ページには画像やらテキストやらいろんなものが貼ってあるでしょ。それをひとつひとつ「くれ」「ほらよ」とやるわけだよね。そのひとつひとつ(実際はいくつかまとめてやってるんだけど)に遅延が加わるんだから、全体としてはかなり遅くなってしまう。iPhone4SならSBMとauの両キャリアを比較できるから、可能な人はやってみるといいと思う。アタシの場合はiPhone4と嫁さんのiPhone4Sだから厳密に言えば正しいデータとは言えないんだけど、処理速度の違いとは考えられない差が出るんだ。実際にね。
こんな状態で、いまの3Gより速度の速いLTEなんか始めたらどうなると思う?さばききれなくて速度が出ないだけならいいけど(あんまり良くはない)、有線路があふれて通信ができなくなっちゃうかも知れないよね。まぁそこまでお粗末なことをしているとは思わないけど、SBMにとってはLTEは新たな問題のタネになりかねない。とはいえやらないと、すでにパンクしかかっている3Gがもたない。ダウンロード速度がどうしたこうしたなんて言ってる場合じゃないんだよね。
じゃauは絶対大丈夫なのかというと、そんなことは言えない。ただ、KDDIは通信業者として長くやっているから設備も整っているはずだし、冒頭のインタビュー記事によれば今回iPhone5に対応するLTEの周波数帯2.1GHzはほとんどiPhone専用になるらしい。わりとうまく行きそうな感じではある。もちろん帯域が広く取れる(速度が速いと考えてもいい)のでテザリングというケータイをWi-Fiルータとして使う機能も提供できた。これまではイーモバイルなどのモバイルWi-Fiルータを持って出かけていた人が、iPhone5でそれを代用できるわけだからありがたいよね。荷物がひとつ減るし、電池の心配もひとつ減る。
でもSBMは今回この機能の提供を見送った。この1点を見ても、SBMのネットワークはあまり余裕がなさそうだと見当が付く。ユーザの期待は大きいし、すでにiPhone4からその機能はあるのにSBMは提供を見送っていたので、やればいい目玉になったはず。それをやらないというのは、できないからだと思うんだ。
後出しジャンケンでSBMも、auに遅れること4ヶ月の2013年1月からテザリングサービスを提供することになった。
これだけが理由じゃないけど、たぶん今回のiPhone5販売戦争初戦はauの圧勝になると思っているんだ。当然SBMは新規の獲得もさることながら既存のユーザを離さない策をいろいろと打ってくるとは思う。でも不利は間違いない。雑誌もこれまでのようにSBMに遠慮しなくなってきているしね。けっこうauに水をあけられるんじゃないかな。まぁあれだけど。だれもがテザリング必要か?といったら、そんなことはないんだよね。追加料金を払ってまで要らないよというユーザは多いと思うけど、今回auはテザリングオプションの料金を2年間無料にするプランを打ち出してきた。これ、本気なんだよね。アタシはそう思うよ。
ただねぇ、事業家としての孫さんはこんなことでへたばってしまうようなヤワな人ではない。今回は防戦一方になると思うけど、必ず反撃に出る。来年iPhone5のマイナーチェンジがある辺りなのかな。わからないけど近いうち必ず体制を整えて兵を進めるはず。そうじゃなきゃね、面白くない。(^^)
その田中社長はこのインタビューの中で、LTEは当然だがテザリングについても「やる」と明言している。突然のインタビューでここまで踏み込んで言うかな。記事が掲載されたのはiPhone5発表後の13日15時だが、話しているのはそれ以前だ。これはついにauがSBMとのiPhone5戦争に進撃のラッパを吹き鳴らしたということなんだろうと思った。
もともとLTEへの移行の理由は通信速度の向上もあるが、需要が爆発して3Gでは端末数をさばききれなくなってきていることが大きい。早く移行しないと無線ネットワークがパンクするといわれている。ところがここに、無線では解決できない問題がある。バックボーンなどと呼ばれることがあるが、有線ネットワークだ。
ケータイは無線なのになんで有線?と不思議に思う人も多いと思う。無理もないんだけど、実際のところケータイはトランシーバじゃないので、北海道の人と九州の人がケータイで話しているとき、電波が直接端末間で飛んでいるわけじゃない。北海道の端末は近くの基地局と無線でつながり、その先は有線の同軸ケーブルやら光ケーブルやら、もしかしたらマイクロウェーブという無線やら、いろんなものを経由して九州の人の端末に近い基地局までつながって、そこからようやく電波で九州の人の端末に届いている。
こういうふうにつながった回線の速度を決めるのは、一番遅いところだ。極端な話、途中の北海道とも九州とも関係のないどこかで回線が途切れたら、通話はできなくなる。データ通信はちょっと事情が違うけど、一番遅いところが全体の速度を決めること、途中1ヶ所でも切れたら通信が成り立たなくなることはおなじ。早い話、基地局とケータイの間が10メガで通信できる能力があっても、基地局から先の有線回線が1メガの速度しかなかったら通信速度は1メガ以上にはならない。簡単に言うと1メガの有線路に10メガでデータを送り込んだらあふれちゃうから、速度を1メガまで落とすしかないんだよね。
もちろん無線よりは有線路の方がずっと早いんだけど、ひとつの基地局が何台ものケータイを受け持つわけでしょ。いくら早くたって台数が多くなれば遅くなるよね。だからケータイの通信速度上げるには基地局の設備だけじゃなくその先の通信路全体のパワーアップが必要なのよ。ところが、実際にどうなのかデータがないからわからないものの、ふだん使っていてSBMのネットワークはずいぶん品質が悪いと実感する。品質というのはデータの流れる速度もあるけど、データを要求してから返答が返ってくるまでの時間が大変遅い。
これ、レイテンシとか呼ぶんだそうだ。アタシは最近この言葉を知ったので勉強不足なんだが、端末が「データくれ」と言ってから実際にサーバから「ほらよ」と返ってくるまでの遅延のことを指すらしい。もちろん電気の世界の話だからせいぜいミリ秒単位なんだけど、ブラウザでホームページを見る時なんて、ページには画像やらテキストやらいろんなものが貼ってあるでしょ。それをひとつひとつ「くれ」「ほらよ」とやるわけだよね。そのひとつひとつ(実際はいくつかまとめてやってるんだけど)に遅延が加わるんだから、全体としてはかなり遅くなってしまう。iPhone4SならSBMとauの両キャリアを比較できるから、可能な人はやってみるといいと思う。アタシの場合はiPhone4と嫁さんのiPhone4Sだから厳密に言えば正しいデータとは言えないんだけど、処理速度の違いとは考えられない差が出るんだ。実際にね。
こんな状態で、いまの3Gより速度の速いLTEなんか始めたらどうなると思う?さばききれなくて速度が出ないだけならいいけど(あんまり良くはない)、有線路があふれて通信ができなくなっちゃうかも知れないよね。まぁそこまでお粗末なことをしているとは思わないけど、SBMにとってはLTEは新たな問題のタネになりかねない。とはいえやらないと、すでにパンクしかかっている3Gがもたない。ダウンロード速度がどうしたこうしたなんて言ってる場合じゃないんだよね。
じゃauは絶対大丈夫なのかというと、そんなことは言えない。ただ、KDDIは通信業者として長くやっているから設備も整っているはずだし、冒頭のインタビュー記事によれば今回iPhone5に対応するLTEの周波数帯2.1GHzはほとんどiPhone専用になるらしい。わりとうまく行きそうな感じではある。もちろん帯域が広く取れる(速度が速いと考えてもいい)のでテザリングというケータイをWi-Fiルータとして使う機能も提供できた。これまではイーモバイルなどのモバイルWi-Fiルータを持って出かけていた人が、iPhone5でそれを代用できるわけだからありがたいよね。荷物がひとつ減るし、電池の心配もひとつ減る。
でもSBMは今回この機能の提供を見送った。この1点を見ても、SBMのネットワークはあまり余裕がなさそうだと見当が付く。ユーザの期待は大きいし、すでにiPhone4からその機能はあるのにSBMは提供を見送っていたので、やればいい目玉になったはず。それをやらないというのは、できないからだと思うんだ。
後出しジャンケンでSBMも、auに遅れること4ヶ月の2013年1月からテザリングサービスを提供することになった。
これだけが理由じゃないけど、たぶん今回のiPhone5販売戦争初戦はauの圧勝になると思っているんだ。当然SBMは新規の獲得もさることながら既存のユーザを離さない策をいろいろと打ってくるとは思う。でも不利は間違いない。雑誌もこれまでのようにSBMに遠慮しなくなってきているしね。けっこうauに水をあけられるんじゃないかな。まぁあれだけど。だれもがテザリング必要か?といったら、そんなことはないんだよね。追加料金を払ってまで要らないよというユーザは多いと思うけど、今回auはテザリングオプションの料金を2年間無料にするプランを打ち出してきた。これ、本気なんだよね。アタシはそう思うよ。
ただねぇ、事業家としての孫さんはこんなことでへたばってしまうようなヤワな人ではない。今回は防戦一方になると思うけど、必ず反撃に出る。来年iPhone5のマイナーチェンジがある辺りなのかな。わからないけど近いうち必ず体制を整えて兵を進めるはず。そうじゃなきゃね、面白くない。(^^)