まるで完封負けを食らったかのようだった。
試合後、岡田監督はいつも以上にピリピリムードで、わずか20秒で会見を自ら打ち切った。
拒否をのぞけば今季最短で、それが怒りの度合いを物語っていた。
同点の八回無死の場面だった。
中日の先発・小笠原投手から、桜井外野手の右中間三塁打で絶好の勝ち越しチャンスをつかんだ後だった。
代走に赤星外野手を告げ、万全を期したはずだった。
しかし、矢野捕手、関本内野手、代打・狩野捕手のバットが次々と空を切ったのだ。
「工夫がないやろ。きょうはそれだけよ」と岡田監督は語ったという。
打てないなら、バットを短く持ち、コンパクトに振ったりすべきだろう!
そんな努力も見えないから腹も立つのだ。
相手がVを争う宿敵・中日なら、なおさらだ。