大観衆の前で、能見投手が思いっきり叫んだ。
「僕の名前を忘れていたと思いますけど、これからもっとチームに貢献できるように頑張ります!!」と・・・。
2カ月以上にも及んだ二軍暮らしの努力が実った結果だった。
ハイライトは3点リードの六回だった。
一死から金城選手に右前打を許し、4番・村田選手を迎えた場面だった。
流れを左右しかねない危機だったが冷静だった。カウント2-1から3球続けてチェンジアップを連投したのだ。
「抜け方が良かった」と昨オフに身につけた自慢の球種で遊ゴロ併殺に仕留めた。
堂々の内容で6回5安打1失点に抑え、4月7日の巨人戦(東京ドーム)以来、実に127日ぶりの白星を飾った。
復活の2勝目(3敗)を、プロ初勝利を挙げた横浜スタジアムで飾ることができたのだ。
「ストレートも走ってたし、コントロールも良い。無四球やろ。変化球も低めにきていた」と進化を遂げた左腕に、岡田監督は最大級の賛辞を贈った。