jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま/宮崎正弘・石平

2010年04月11日 | 読書
『絶望の大国、中国の真実』の続編。
日本の多くのマスコミやエコノミストが絶賛する中国の経済成長。
特にNHKなどは日本に進出しない企業はバカで時代遅れだと言わんばかり。
中国当局が発表するインチキ統計の数字を嬉々として放送するクセに、
中国様のご機嫌を損ねるようなニュースは全部隠す。
とにかく、この国の経済成長は右肩上がりで近いうちにGDPは日本を抜き、世界一になるのも時間の問題。
中国の経済成長神話は中国人だけでなく多くの日本人にも信じられている。
これに異を唱えようものなら、
なにをバカなことを言っているのか?
と蔑みの目で見られたちまち大バッシング。
これからマスターすべき外国語は英語じゃなくて中国語の時代だとか。

この本での目からウロコは、
中国の経済成長のカラクリをわかりやすく説明しているところ。
中国の経済実態はポンジ・スキームというねずみ講の構造だということ。

わしが読後にイメージしたのは、
ステロイドとか筋肉増強剤漬けになったスポーツ選手。
ドーピングすれば筋骨隆々でパッと見はとても健康そう。
ホームランはいっぱい打てるし、短距離走の世界記録は破るし、
などの素晴らしい活躍で、あちこちから賞賛されます。
しかし、実際の体の中身は副作用でボロボロ。
選手生命はおろか本当の寿命まで著しく縮めます。

中国の経済を見かけ上よく見せている放漫融資はドーピングそのもの。
人工的に作られた成長はパッと見にはよさそうに見えますが、
インフレ・バブル崩壊・銀行のデフォルトなど副作用が近いうちに必ず爆発します。
その他にも大学生の就職難、地域格差などいろんな矛盾を孕んでいます。

マスコミやエコノミストの中国礼賛放送を鵜呑みにする前に、
もうちょっと冷静な議論も読んでみることを多く人に勧めたい今日この頃であります。



増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま
宮崎正弘
石平
出版社: ワック (2010/01)
ISBN-10: 4898316158
ISBN-13: 978-4898316153
発売日: 2010/01