老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

267;線香花火

2017-08-07 00:51:21 | 老いの光影
線香花火  

真夏の夜空に映し出す大輪の花も素敵だが、
線香花火もまた、
違う味わいと楽しみをもたらしてくれる。
“ちりちり”とほのかに燃え輝き、
めまぐるしく表情を変え、
儚くも美しく燃え消える線香花火。 

大人になって改めて手にした線香花火をみて・・・・。
線香花火に、
火をつけると一瞬だけ激しく燃え、
くるくると先端が丸くなる。
溶岩のような真っ赤な玉がゆらゆらと震えながら育つ。
十分に大きくなった玉から突然、
噴き出すように火花が散る。
四方八方に飛び散る
あでやかな火花が不意に途切れ、
かわりに小さな玉がゆっくりと燃え始める。
火は小さくなりながら、
まだまだ燃え、
しかし長く細くなった火の先から火花が止まり、
最後に、“ぼとり”と火玉が地面に落ちる、
その瞬間は何とも言えない、
「人生の儚さ」というか、
無常の世界を感じてしまう。


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