老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

280;目が細い人は 早死にする

2017-08-10 12:10:10 | 老いの光影
目が細い人は 早死にする 

川中美由紀婆さん(83歳)は
置忘れ、しまい忘れが目立ち始め
その上心配性の塊であり
妄想が気球のように大きく膨らみ
眠れなくなってしまい、眠剤を服用している

「目が細い人は 早死にする」
「私も目が細くなってきたから、
今日か明日にでも死んでしまうのでは・・・・
昨夜は眠れなかった」
と彼女は真顔で話す。

隣で聞いていた42歳の女性ヘルパーは、
「大丈夫 五木ひろしだって目が細いけど 
死なずに歌っているから大丈夫!」。
その返答で彼女は納得されたかどうかは?

翌朝、美由紀は「火曜日 病院で大腸検査をすることになった。
どこか悪いのか。病院へ行ったら死んでしまう・・・・・」
結局 検査をすると死ぬと思いこみ、検査には行かなかった。

美由紀にとっては
不安や心配から妄想が大きく膨らみ
その人の心の世界のなかでは
大変なことになっている
「それはおかしいよ」「違うよ」と一笑に付すことはできない
美由紀の妄想の世界の中に入り込み
一緒になって妄想を楽しむなかで

彼女の何が不安なのか、何が心配なのか
その糸口が見えてくるのかもしれない







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