老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1463;みんなで食べるから美味しい

2020-03-21 15:38:46 | 老いの光影 第6章 「老い」と「生い」


みんなで食べるから美味しい

さくらデイサービスセンターは10名定員の民家を借りた
小さな小さなデイサービス

ある日のお昼は、爺さん婆さんとスタッフと一緒になって
カレーライス作り
勿論手は消毒、薄ビニールの手袋をはきます
(北海道では手袋を「はめる」ではなく「はく」)


それぞれが「できる」ことをやります
包丁を使えなくても玉ねぎを手で剥く爺さんもあれば
鍋のなかの具材が焦げないようお玉でかき混ぜる婆さん
道具が思うように使えない婆さんは味見役
それぞれが何かしら「できる」ことをやってもらう

過去にも何回かカレーライスは作ったことがあり
手順は慣れてきた

ひとり暮らしやひとりで食べることが多い爺さん婆さんたち
「こうしてみんなと食べる昼食は美味しい」
「ひとりで食べる食事ほど味気なく美味しくない」

テーブルの下は、こぼれた米粒やイモやニンジンが転がっている
鶏がいればきれいにしてくれるのだが・・・・
と、思いながらカレーを食べる自分(何にもしなかった自分)