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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

井上泰幸展

2022年06月10日 | ニュース


井上泰幸展

 特撮美術監督としてたくさんの作品に関わられた井上泰幸氏の個展が、東京都現代美術館で現在開催されています。圧倒されるほどの各作品の資料などが多数展示され、氏の功績を感じるとともに特撮ファンなら一度は見ておきたい催しとなっています。





 先日、拝観してきました。
 これまで弊社関連書籍などで幾度か井上泰幸氏の作品や資料を掲載させていただきましたが、初見のものも多数あり、その情報量の多さに圧倒されました。時間を忘れてひとつひとつじっくり見ていると、あっという間に3時間を超えていたのに我ながら驚いたほどです。
 東宝特撮を中心に、特撮美術の発展とそのお仕事の地位の確立に貢献されてきたのがよくわかります。

 氏が残されたたくさんの資料の中には、各特撮作品のセット図面などがあります。
 これまで弊社で多くのゴジラ映画などの書籍を編集させていただいてきました。その度にその作品の美術デザイナーの方々が手掛けられた美術資料などを多数拝見させていただくことが多いのですが(スペースの都合で掲載できなかったものが多々ありますが)、井上氏の残した資料を拝見すると、後々の多くの美術デザイナー・美術監督の方々が氏の影響を受け、教えを実践されているのがよくわかります。

 図面だけではなく、スケッチやデザイン画、絵コンテも多数展示されています。多才であることを感じるだけではなく、映画作りがお好きだったのだろうことが想像できました。
 写真撮影が可能なのは、展示されている『空の大怪獣ラドン』(1956)に登場した福岡市の天神岩田屋周辺ミニチュアセットの再現箇所だけですが、このミニチュアを見るだけでも充分見に行く価値があると思います。

 拝観中、たまたまこの展示開催の中心となられた三池敏夫さんに会場でお会いしました。三池さんには公私で日頃たくさんのお世話になっており、この日もいろいろお話をさせていただきました。
 実は数年前に、福岡市に取材を兼ねて三池さんたちと市内観光を少ししたのですが、その時に現在福岡PARCOとなっている岩田屋の跡を視察したのです。外装や内部はほとんど改築されていますが、福岡PARCOの中にはまだわずかに岩田屋の時の柱などがちらりと見えている箇所もあり、感激したものです。三池さんと再現された岩田屋のミニチュアを見ていたら、そんなことを思い出しました。

 若い特撮ファンの方々にとっては井上泰幸さんと聞くとおそらく「聞いたことがあるなぁ」ぐらいかもしれません。でもこの展示をご覧になると、特撮の作られる過程と井上氏への興味がもっと湧くと思います。
 開催は6月19日(日)までですので、まだの方はぜひ一度足を運ばれてはいかがでしょうか。















井上泰幸展
会期/2022年3月19日(土)-6月19日(日)
休館日/月曜日(3月21日は開館)、3月22日
開館時間/10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料/一般1,700円 大学生・専門学校生・65歳以上1,200円 中高生600円 小学生以下無料
会場/東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
詳細/https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/yasuyuki-inoue/


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