Part.2 資料の収集
■調べておいた事と、特徴を探す事
商品としても「モスゴジ」の流用として「決戦ゴジラ」を作りやすかったのは、事前にいくつか調べておいて劇中スーツの流用の流れをある程度(弊社としての解釈はありますが)把握していた事です。
前に「大戦争ゴジラ」を制作・発売した時に、「モスゴジ」から「南海ゴジラ」までのスーツの流用の流れを調べてみました。「モスゴジ」「決戦ゴジラ」「大戦争ゴジラ」「南海ゴジラ」とスーツの流用、改修で共通する部分は多く、これらは後の各作品に登場する昭和のゴジラ基本になっているからです。さらには「ジラース」や「ゴメス」にも関係しているものです。これらについての詳細は2008年9月4~6日にここで書いた「雑感」をご覧いただくとして、この事を事前に調べておいたのが大いに役立ちました。
しかし、「決戦ゴジラ」そのものの資料の収集はそう簡単ではありませんでした。ポスターやらスチール等はそのまま「モスゴジ」の写真を使用しているものも多く、近年発売された書籍やムック本でも作品の紹介記事ではどうしてもこの時デビューの「キングギドラ」の方に注目が集まっています。
「決戦ゴジラ」そのものは、写真では造形がはっきりわかるものは少なく、「スーツはモスゴジの流用」と右習えのようなキャプションばかりで済まされているからです。
こういう時は、いつもの事ですが、DVDとにらめっこです。各シーンを止めてメモしたり、スケッチしたりで「決戦ゴジラ」の具体的な造形の特徴をできる限り漏らさないように書き込む作業です。
それでも事前に「モスゴジ」を作ったばかりですし、前年には「大戦争ゴジラ」を作っていましたので、違いや特徴を見つけやすかったと言えるかもしれません。