Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その118

2009年05月21日 | 制作裏話
制作裏話「GMKゴジラ 横浜激戦バージョン」編 Part.4

■ソフビにラメを入れる事(2)

 昨日のラメの話の続きです。
 ラメを入れる事はそう簡単には決められないという2つ目の話をします。

 もう一つの理由は成型屋さんへの負担です。
 業界にはかなりうとい方なので詳しい事はよくわかりませんが、聞いた所によると現在ソフビ制作の業界では個人でソフビを作りはじめる方が増えつつも、逆に成型屋さんや彩色塗装屋さんがかなり少なくなったとの事です。残っている職人さんでも年輩の方が多と言う事なので、こういった話を聞くと近い将来ソフビの生産はどうなるのか心配になります。
 そんな中、成型原料にラメを入れるという事は、成型屋さんにとっても簡単に引き受けられる事ではないそうです。生産後原料容器にラメが残ってしまい、洗ってもなかなか取りにくく、次の他商品にまで混ざってしまう場合があるそうなのです。ですからラメ入り商品の場合、受注を拒む成型屋さんもあるそうです。中には技術的にできない所もあるとか。つまり成型屋さん自体少なくなっているのに、ラメ入りで生産していただける所はさらに限られているのが現状と言えます。
 大量生産や太っ腹な支払いができるのであれば別でしょうが、弊社の規模ではこれらの理由やスケジュールの都合もあるので頻繁にはお願いできないのです。

 ですから、ラメ入りを企画した際は「コストの面の覚悟」と「成型屋さんの都合」が条件になります。
 可能な際はもう成型屋さんに感謝するしかありません。

 この「横浜激戦バージョン」は、さらにわがままを言っていつもよりラメは多めに入れました。
 いつもの量ぐらいだと、クリアにしては濃いめの黒成型なので入れたラメがかなり少なく感じてしまい、配色のテーマのイメージから離れてしまうためです。
 さらに大きさの違うラメを混入していましたので、生産前にいつもより余計しっかり混ぜていただかないといけなかったと思います。
 購入されている皆様には関係のない話かとは思いますが、そんな成型屋さんの諸々のご苦労もあってのゴジラなんだというのもちょっとでいいので知っておいていただけると嬉しいです。

 おがけさまで「横浜激戦バージョン」は、入っている大きさの違うラメの効果が劇中のシチュエーションをしっかり表現できたと思っています。GMKゴジラそのものの立体感も違った感じで味わっていただけると思いますが、お求めいただいた皆様はどう感じました?

(2009.6.5更新)
「GMKゴジラ 横浜激戦バージョン」は完売致しました。ありがとうございました。

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