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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

追悼・開米栄三氏

2020年05月15日 | 代表羽沢のG雑感
追悼・開米栄三氏

 特撮ファンには怪獣造形のレジェンドととして知られている開米栄三さんが、4月24日、90歳で他界されました。
 ゴジラファンには、第一作『ゴジラ』のスタッフとして知られ、次作『ゴジラの逆襲』から『怪獣大戦争』までゴジラ映画には参加されました。他にも怪獣のスーツなどの造形助手として、数多くの東宝特撮作品に関わっておられました。
 開米プロダクションを設立されてからは、『宇宙大怪獣ギララ』、『大巨獣ガッパ』、『ガメラ対大悪獣ギロン』、『ガメラ対大魔獣ジャイガー』などにも造形で参加し、テレビ作品でも『帰ってきたウルトラマン』から『ウルトラマン80』までのウルトラシリーズ、『ミラーマン』などでも多数の怪獣たちを制作されました。さらに『人造人間キカイダー』や『愛の戦士レインボーマン』などのヒーロー作品にも多数参加されています。
 氏が関わり、生み出された各作品の怪獣や怪人たちは、数え切れないほど。どれほど各作品で我々を楽しませてくださったことか……。

 第一作『ゴジラ』で開米氏は、特殊美術監督の渡辺明氏のもと、ゴジラの造形を担当された利光貞三氏らの造形スタッフをサポートする立場で参加されました。撮影時にはスーツアクターの中島春雄氏らをサポートし、いわゆる「ゴジラ付き」のお仕事をされた元祖の一人でもあるのです。
 宣材として使われたスチール写真のいくつかは、ゴジラに開米氏が入っていたことは知られていますが、その詳細などは写真付きで「GODZILLA GRAPHIC COLLECTION ゴジラ造形写真集」(ホビージャパン刊)に書いていますのでそちらをご覧ください。同書では開米氏ご本人にもインタビューしましたので合わせてご覧ください。
 他にもゴジラ関連以外でも、各特撮関係の書籍では多数参加された作品について証言されています。いずれも貴重な証言が多数ですから、ファンにとっても氏のことばひとつ一つが宝物と言えるのではないでしょうか。

 私がインタビューなどでお話しさせていただくようになったのは晩年で、すでにご病気であることはおっしゃっておられたので、お会いするたびに「またお願いします。お身体お大事にされてください」と言うと「死んじゃって次はもうないかもよ(笑)」と毎回おどけたお顔をされていたのが印象的でした。
 開米プロでさせていただいた「ゴジラ造形写真集」のインタビューの後には、「こんなのもあるけど見る?」と利光氏が造形されて開米プロで管理している1mの初代ゴジライメージモデルを見せていただき、すぐに「これも載せさせてください!」とお願いしたら「どうぞどうぞ、好きにやっていいよ」と気さくにおっしゃっていただき同誌に掲載させていただきました。
 インタビューでも雑談でも気さくにいろいろお話ししてくださる方でした。
 特撮界にとっては、生き字引とも言える方でしたので、もっともっといろんなお話をお聞きしたかったです。
 今までたくさんの怪獣たちで楽しませていただきありがとうございました。

 心よりご冥福をお祈りいたします。



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