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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その139

2009年08月08日 | 制作裏話
制作裏話「大戦争ゴジラ スタンダードカラー」編 Part.3

■密度の濃いお尻部分の中身

 シェーポーズをさせるために、造形的に難しかったのは腕まわりだけではありませんでした。足も同様です。
 腕に比べれば足のパーツ自体は大きいので、角度さえ間違えなければ成型時にちゃんと抜けるはず。ですから、腕パーツ程の心配はしていませんでしたが、別の意味で私の想定外な事がありました。

 前に「こだわり」でも書きましたが、この商品のお尻(腰)部分の内部は全てギリギリで他のパーツがついているため、かなり密度の濃い(?)状態になっています。両足のパーツ、尻尾のパーツ、スタンドの差し込み口がありますので、それらがぶつかりあう事なく、問題なく組み立てられるようになっています。さらには背びれのパーツの下部分も影響しますので、原型制作時にこれらを考えなくてはなりませんでした。
 CAD(コンピュータ支援設計システムツール)でもあれば別ですが、そういう気の効いたものはありませんから、おおまかな計算と後は勘だけです。

 さらには腕のパーツの時と同様に、足パーツの角度も重要ポイント。忘れてはなりません。
 足を挙げた時、降ろした時、それぞれちゃんとシェーポーズになっているように角度調節は必要です。
 腕パーツ同様に何度か粘土を足したり削ったリを繰り返しました。

 実は粘土原型が完成し、ワックス原型までできた段階でNGが出ました。
 例のお尻部分です。
 金型屋さんに相談した所、最初に作ったものでは、両足のパーツの差し込み部分、尻尾のパーツの差し込み部分、スタンドの差し込み口が微妙にぶつかりあって物理的に不可能と言う事でした。さあ、大変です。
 アドバイスをいただき、当初の形から足の差し込み口を下に3ミリ程、左右に4ミリずつ広げなくてはならないのです。重心の都合がありますので、尻尾の接合部分は現状維持のままで、です。スケジュール的に粘土原型からやり直しては間に合いません。直接ワックス原型を手直しする事になりました。
 足パーツの接合部分の角度を維持しつつの修正です。表面はもちろんですが、腰から下の形を変えるべく、粘土ではなくワックスで作り直しているのです。これほどの大幅なワックスでの修正は初めてでした。
 大ベテランのソフビ原型師さんの中には、最初からワックスで原型を作られる方もいらっしゃると聞きます。私には慣れた(慣れかけた?)粘土の方がやはり楽です。まだまだもっともっと勉強と経験が必要なのだと痛感しております。

 こうしてボディパーツの問題はクリアしましたが、結局発売前にここで公開した原型画像に比べて、商品の方はさらにお尻まわりが大きくなっているのです。気がつかれてた方、いらっしゃいました?
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