Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話その3

2007年03月21日 | 制作裏話
配色シミュレーション

 前回の続きです。
 ソフビシリーズ「Gメモリーズセレクション」第一号のキンゴジの色をどうやって決めたのかを話しましょう。
 ゴジラは基本的にどのゴジラも着ぐるみ(スーツ)は、ダークグレーなのだそうです。映像で見ると照明、効果、フィルムの劣化等のせいで違う色に見えたりします。映像以外にもムック本等では印刷の状態で色が違って見えたりする場合があります。
 キンゴジと聞いてイメージする色は、みなさんどんな色を思い浮かべますか? 多くの人がおそらくダークグリーンと言うのではないでしょうか? 私もそうです。
 たぶんこれは映画ポスターやスチール写真、宣材等の印刷物がキンゴジをグリーン系で彩色しているからではないでしょうか? 映像だとほとんどグレー系に見えますが、そう言ったイメージが強くてキンゴジはダークグリーンという印象を持ってしまったのだろうと思います。ですから多くのメーカーのリアルなガレージキットの完成品写真を見ても、ダークグリーン系で塗られていると納得できるカッコ良さがありますもの。
 もちろん中には「ゴジラはグレーだ!」と言い切る方もいらっしゃるでしょう。
 そういった事をいろいろ考えて、キンゴジの一発目はグリーン系とグレー系の両方を作ってみようと言う事にしたのです。
 とは言っても他社さんではこれまでにキンゴジソフビはいろいろ作られ、グリーン系は特に多く存在します。他ではやらないグリーン、しかもウチの造型にあった色を考えなければなりません。「カッコかわいく」のテーマに合う明るい雰囲気を出せるグリーンをいくつか考えました。
 ソフビ商品の色を決めるのは初めてとあって、たくさんサンプルを作る余裕はありません。特に当時、雑誌告知のために〆切りに間に合わせるべく時間がなかったのです。
 そこで取った方法がパソコンの画像ソフトで原型写真に色をつけてみる事にしたのです。これなら簡単に修正も可能ですし、何パターンも作る事ができます。



 左が原型。中央が色をつけてみたものです。右が後の完成商品です。
 グリーンと言ってもCMYK指定にしてもRGB指定にしても1パーセント変えるだけで別の色になります。つまりグリーン系だけでも無限の種類を作る事ができる訳です。
 もちろん本来は弊社が見ればいい画像です。決定イメージを作れればいいだけの目的ですから、画像としてのクオリティはちゃんとしたものではありません。
 とにかくこうしてグリーンのイメージは作ったのです。ビリジアン系のグリーンを成型色に明るめのグリーンを調合して彩色、これが基本ボディの色になりました。



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