よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

オンナの奥義 無敵のオバサンになるための33の扉

2018年06月02日 | 読書
阿川佐和子さんと大石静さんの対談本。



ほとんどドラマを見ない私は、
大石さんのドラマも見たことがないのだが
この本を読んで、来歴をさかのぼり
そりゃ人生が苦難の連続という感覚にもなるよな、と首肯した。

リア王の「人はみな泣きながら生まれてくる」の感覚は
私も一緒だ。

やはりこの世が楽しくて泣くのでなく、
苦しみ多い世の中が辛くて泣くのだろう、と思う。

もし赤子と老人のどちらか選べと言われたら
老い先短いほうを、迷うことなく選ぶだろう。

生まれ変わったり、もう一度ゼロから人生をやり直すのは
全力で固辞したい(と感じているのは、私だけではないと思う)。

大石さんの「人生が苦」というところに反駁する気はないが
ただ赤子を見て「こんなに苦しい世界に生まれ落ちて」と
落涙するほど、私はペシミストではない。

今日も高幡不動尊で護摩修行に参加したが
新生児を連れた若い夫婦を見かけ、
「小さないのちが楽しくあるといいな」と
ひそかに祈っていたからだ。

…大石さんの場合、少し更年期鬱もあったのかもしれないが。



阿川さんが「私は普通、大石さんは仰天発言」というのは
とてもわかる気がする(それでもだいぶ開陳は控えている気がする)。


阿川さんのエッセイは結構読んでいる。
あのあっけらかんとした楽観的な発想が好きだ。

多分、とても苦労をしているのに苦労オーラを放たないところに
品の良さがあるんだな、と思う。

「生きるのは幸せの瞬間を感じること」と阿川さんは言う。
大石さんとは真逆。




思うに、何もしないで過ごすと、人生はつらいものになる。

赤ちゃんも、生まれ落ちてそのまま放置されたら、
苦しいままに逝ってしまう。

身体を浄め、ミルクをもらい、オムツを変え…と
快適な環境を作り出さなければ、気分が悪くなり、
不快感が募っていく。

長じるにつれ、
ひとは自分で自分を快適にする術を身に着けるようになる。

何かしても、何もしなくても試練は降ってくるので
娯楽や心理学や宗教が発達したのだろう。



私も根底に、大石さんのような悲観発想があるのだが
年を重ねるうちに、阿川さんのようなやや突き抜けた
楽観的な感覚に近くなってきた。

生きているうちに、自分を楽しくさせたほうがいいから。



余談だが、大石さんはブラとショーツは揃える人で
阿川さんはそろえない人らしい。

そして二人ともブラを毎日洗わないそうだ!!!

これにはびっくり。

私は下着はもちろん、タオルもハンカチも、
スカートもブラウスも毎日洗うので…。



潔癖症ではありません