最近X線とγ線の違いが波長でなく、その線源に依ることを知った。どうやら核物質が崩壊して電子の順位が変わるときに出るのがγ線で光電効果などによって発生するのがX線であるようだ。自分はシンクロトロン放射光にγ線が含まれるという記事を見つけてレポートに書いたことがあったが実はX線であったというべきだったのかもしれないと今では考えられる。これは案外に重大な問題であり、放射線測定器は大抵、ほんの少しか飛ばない透過能力の弱い粒子線であるα線やベータ線でなく透過力が強い電磁波であるγ線をとらえるものがほとんどで、そのγ線が核分裂によるのか光電効果によるのかわからないということを意味している。
X線というのはクルックス管という真空中で陰極から陽極へ電子を飛ばして光電効果を生じさせるような簡単な機械や粘着テープをはがすだけでも発生しているため、γ線とX線の周波数による区別がついていないのをよく知らずに誤認することは頻発するはずである。空間にγ線が多いからと言って必ず放射性物質が多いわけではないということは知っておくべき要注意事項のように思われる。何か原因を分ける工夫があればいいが、簡易な放射線測定器の構造を見るかぎりそれはないようだ。
私としては実験室などのコントロールされた環境での測定結果だったら問題なくみえるが、野外に出てそれを測るようになると何が原因だかわからなくなる場合が多くなるのではないだろうかと考えている。厳密なものでなく人体に影響するものの総量がどのくらいあったかを知るための目安だと考えておくのが良いと思う。
なんとなく、昔、高圧線からの電磁波で不調をきたすという話題があったがコロナ放電とかでX線がでていないかも調べたほうが良かったかもしれないとさっき思ったのだがどうなのだろうか。電圧が高いと自由電子が金属中で光電効果と同等のものを発生させるような気がしたのだが手元にある物理の本には載っていないので人を説得するのは無理かもしれない。しかし、電力会社が陰謀で消したとかではないと思うがX線が高圧電流を流す金属線からでない理由が知りたい。