ほっとなほっとする コラム

「上州人」気質そのまんま!義理と人情が身にしみます。本音を語っても許してくれますか?ばあちゃんのホットなコラム見てね。

父親の手

2010-05-22 19:55:22 | 生活 習慣

88歳になろうかという私の父が 入院をしている。

しばらく前に 脳梗塞を病んでいる。

腰を痛めたりして デイサービスを受けながら 同齢の母と炬燵を挟んで二人で過ごして居た。

孫やひ孫に囲まれて 何とか家族団欒の中で 生活していた。

しかし、自力で動けず むくみもあるので 入院したと 実家の弟より連絡があった。

「どうした?」

父は「大丈夫だ~」と いつもの通り口数が少ない。

どうしても 母親とおしゃべりをする機会が多く、 父親とは大した会話もなく過ごしてきた。

入院して4日目 点滴から流動食になり 管も外れた。

むくみも無くなり か細い腕と指先になった。

「こんなに白い手になっちゃって よかったね」と 手をさすり握る。

しかし、親子とはいえ 父親の手を握ることが あっただろうか?

「又 来るからね」と言うと 眠そうな目を開けて バイバイと手を振る父。

思わず ベッドに戻り 父の手を握り バイバイと握手した。

こんなにも 父の手を握ったことは無い。

いつまでも 父親は父親で居てほしいと願いながら 帰った。