あめどんの晴れブログ。

中二病&糖尿病を発症したムスコ、もんくんとの毎日。

入院。学んだことと、思い知らされたこと。

2016-02-04 09:26:12 | こころ
インスリンの注射をはじめてからも、なかなか体調はよくなりませんでした。

それまでは月一回の診察のたびに図っていた血糖値でしたが、インスリンが始まってからは1日7回(朝昼夜の食後と食前、就寝前)採血&測定するようになり数値を記録するようになりました。

朝食前の数値はそれほど高くないのですが、朝食後から寝る前まではずっと計測器MAX600を振り切ってしまってました。

毎回測定エラーになるので、はじめはこんなものか、やり方が下手なのかな?と首をひねっていましたが、インスリン開始1週間後の診察の際にお医者さんに
「うわー、これは全くインスリンが足りてないよ。危ない、血糖値が740もある。すぐ入院してください。」
と言われてしまいました。

今まで月1回の診察の際は、朝一番、空腹時に測定していたので、朝食後以降の血糖値をお医者さんが知る機会がなかったことが体調の悪化を防げなかった原因のひとつだったのかもしれないとこのとき思いました。

えーっ!と思ったけど、退院するときには元気になっているよと言われて、気を取り直し、手続きを進めました。
自宅で頑張ってても全然改善されないし途方にくれていたのでこれで良かったんだと思いました。
うちは夫婦共働きだったので、体調の良くないもんくんを家に置いておくのも不安だったし、24時間プロが見守って指導してくれるなら、安心でした。


入院では、体調を整えると同時に、きちんと採血&測定&インスリン投与を行う指導、食事制限の教育などの目的もありました。

もんくんはインスリン投与が始まってから1度もサボることなく、自分で全てやっていました。

入院した当日も、ベッドについてすぐ昼の採血とインスリン投与を行ったのですが、看護婦さんから「慣れているね、もうベテランみたい」と言われて照れていました。

食事の量がかなり少なく、同室で入院している幼稚園の女の子と量がほとんど変わりませんでした。

それまでは、どんぶりでご飯を食べていたような食生活を送っていたもんくんにとっては、おやつにもならないような量でした。

食事以外はほとんどベッドで過ごすしかなかったので、もんくんの好きなプラモデルや本やDVDプレーヤーを用意しましたが、お腹が空きすぎてそれらには集中できないようでした。

入院してから1日、2日はもんくんも意欲的に取り組んでいたので、数値はみるみる下がっていきましたが、3日目にお見舞いに行ったとき、彼の顔は暗く、悲しく沈んでいました。

高かった数値が下がり、とても体調がよくなった。でも、自分はとってもお腹が空いている。自分のコンディションが良い状態、それはお腹が空いていなければならない状態、お菓子やジュースが飲めない、そしてそれは一生続く…

空腹で過ごす長い時間の中で、もんくんの気持ちはどんどん沈んでいきました。

「血糖値下がったってさ、意味ないじゃん」

もんくんは泣きました。糖尿病になって、初めて見せた涙でした。

私も彼の絶望や悲しみを思うと泣けてきて、「ごめんね、もんくん。糖尿病の体に産んじゃって、本当にごめんね」と言いましたが、彼からの返事は無く、その日はそのまま黙って帰宅しました。

私がわびたところで、もんくんの病気が治るわけじゃないし、彼の苦しみが楽になるわけじゃありません。

慰めたい。励ましたい。

でも、彼にかけることばは見つかりませんでした。

よく言われる、"親の私が変わってやれるものなら、変わってやりたい"って言葉も、言ってる親が気持ちいいだけのような気がして、なんの慰めにもならないと思ったし。

帰り道、泣いてる場合じゃないと思いながらも涙がとまりませんでした。

できることを考えなくちゃ。前に進まなくちゃ。そう、自分に言い聞かせました。

もんくんを産んで、こんなにも暗く、重い気持ちになったのは初めてでした。