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ハルピン留学日記(保存用)

2009年8月〜2013年7月、中国東北部ハルピンに留学していたときの記録。2020年1月、ヤプログ閉鎖に伴い引越し。

やっぱり難しい中国語

2012-06-11 15:19:20 | 中国語学習関連
外でご飯を食べていたとき、隣に座っていた学生がとある笑い話をしていた。細かい内容は覚えてないが、大体こんな内容だったと思う。以下、ビルゲイツ:B、ランプの精:L。

L:「こんにちは」
B:「こんにちは」
L:「願い事を叶えてあげよう」
B:「说吧


中国語を学んでいる人は、すぐにその意味がわかるだろうが、これ、よくよく考えると、非常に日本語に訳しづらい。なぜなら、最後の「说吧」の主語を省略しているのがキレをよくしているのだろうが、主語を足したとき、「(我)说吧」と「(你)说吧」では全く意味が異なってくるからだ。

我说吧:(じゃあ私が願い事を)言いますよ?
你说吧:(あなたが願い事を)言ってください


この場合、「ランプの精の願い事すら叶えられるビルゲイツ」という笑い話だろうから、もちろん、主語は「你」が抜けていることがわかる。でも、日本語に訳すとなると、なかなかしっくり来るのがないと思いませんか?

B:「あなたが願い事を言ってください」
→ なんか長くてキレが悪い

B:「お前が言ったら?」
→ ちょっと上から目線過ぎる

B:「どうぞ」
→ 興味なさげに「(私の願い事を)叶えたいなら叶えたら?」的な解釈にもなる

B:「私がね」
→ わかりづらい


多種多様な擬音、一発で性別がわかる豊富な主語、出身地までわかってしまう語尾等々、単純に表現力だけを見るならば、かなり優れている部類だと思う日本語だが、豊富な分、逆にこういうシンプルなものは訳しづらい。

「文法は日本語の方が難しく、発音は中国語の方が難しい」――これが僕の持論だった。なぜなら、中国語は品詞による変化がないからね。でも、最近気付いたことがある。

品詞の変化がないから、

中国語の文法の方が簡単だから、

中国語は難しい(´ω`;)


一見、矛盾しているようだが、中国語学習者の方はもうわかっていると思う。難しめの中国語の文章をパッと読んだとき、品詞による変化がないため、どれが主語でどれが動詞?どれが形容詞でどれが目的語?と混乱することが多々あるのだ。

最近、中国語の文献を読んでないので例が出てこないのが残念だが、とにかく中国語はこれと言った法則がない。他動詞と自動詞の違いもない。「门开了(ドアが開いた)」、「我开了门(私がドアを明けた)」、どっちも同じ「开」だが、前者は自動詞、後者は他動詞だ。これ、最初はすごく違和感があった(笑)。

ビルゲイツの笑い話から、こんなことまで発展させて考えていくうちに、「やっぱり中国語って、日本語より難しいのかも」と思うようになってきた。ちなみに当然かもしれないが、中国人は、パッと文章を読んだだけで文章構造をつかめるそうです。

中国人と同じだけ文章に触れろ!

――これしか方法はなさそうですね(´ω`;)


逆に、中国人日本語学習者に聞いたところ、「日本語は活用が難しすぎる!けど、文章構造を掴むのは確かに簡単かも」と言う人が多い。ただ、意外にも「長音とそうでない音」のように、発音も決して簡単ではないそうな。

発音の構造も文法の構造も、似てる言語もあれば全く違う言語もあるわけで、全く同じだったらそれは外国語と言わない。日本人にとっては当たり前の言い回しも、外国人にとっては初めて聞く言い回しだったり、逆もまた然り。

つまり、全ての外国語は難しい(´ω`;)!

当然のようだが、改めてこんなことを思った僕でした。

以上。


コレって中国語で何て言うの?

2012-06-05 09:42:47 | 中国語学習関連
日常でほとんど使わないし、辞書やネットで調べるほど大事でもない――そんな単語を紹介していく新コーナー。



第一回目は「鉛筆キャップ」

コレって中国語で何て言うの?


僕は、铅笔的盖子(鉛筆のフタ)」と予想して文房具屋の店員に聞いてみたが、返ってきた返事は意外なものだった。以下、僕:P、店員:F。

P:「鉛筆のフタあるかい?」
F:「鉛筆にフタなんてしてどうすんだよ!

――えっ(゜д゜;)


そもそも会話にならなかったので、もう一軒の親切なオバチャンのいる文房具屋に足を運ぶことに。以下、僕:P、オバチャン:A。

P:「鉛筆のフタあるかい?」
A:「あー!铅笔帽ね、あるよ!」

正解は「铅笔帽」でした(´ω`)!


ちなみに、このオバチャンによると「铅笔盖(儿)」とも言うそうで、そうすると、「铅笔的盖子」も全くの見当外れだったわけではないので、一軒目の店員の発言は何だったんだろうという気もするが、まぁ、もう慣れたものです(笑)。

ということで、今後もマニアックな単語を見つけ次第、更新していきます。調べて欲しい単語等ありましたら、お気軽にコメントください。

以上。


中国語東北弁講座 その2

2012-05-11 23:05:38 | 中国語学習関連
第一弾からおよそ約9ヶ月。まさかの中国語東北弁講座第二弾をお送りします。

得瑟(de4se)
代表的な東北弁のひとつで、確かによく耳にするのだが、イマイチわかりやすく説明できる人がいなかったため、ずっとモヤモヤしていた。そんな折、「ハルピン人より東北弁が上手い」と評判の日本人の友達とご飯を食べる機会があり、せっかくなので聞いてみたところ・・・・

「『イキがる』でいいと思いますよ」

と、わかりやすい解説をいただいた(´ω`)


――なるほど!確かにハルピン人同士、自慢話等をしてイキがっているときによく聞く気がする(笑)。ちなみに、後ろに「什么」の東北弁である「啥」を付け、「得瑟啥呀!?(何イキがってんだよ!?)」というのが一番よく使う組み合わせだと思います。

でも、何よりメンツを愛し、それこそ毎回の会話が全て「得瑟」な東北はハルピン人。いちいちツッコんでいると、それだけで会話が終わってしまう(笑)。

また、決して丁寧な言葉ではないので、先生等の地位が高い人、大して親しくない人等には使わない方が無難なのは言うまでもありません(笑)。

以上。


中国語を聞き取ってもらうための方法

2012-04-14 22:00:39 | 中国語学習関連
もう2年半もハルピンにいるのに、「イマイチ中国語が通じないなぁ」とずっと悩み続けている僕。通じない人には大体共通点があるのだが、それが以下。

1,年配
2,おそらく教育に無関心
3,僕のことが嫌い、もしくは関係が希薄


ガイジンの発音に触れる機会がただでさえ少ないハルピン。さらに年配で教育に無関心となると、ほとんどガイジンの中国語に触れる機会などないので、「1」と「2」は仕方ないのかもしれない。さらに、嫌いな人間の言葉が耳に入らないのは僕も同じなので、「3」も理解できる。

さて、いつもメロンを買っている八百屋のオッチャンはいい人なので、いつも甘いメロンを選んでもらっているのだが、どうもオバサンは僕のことが嫌いらしい。

理由を書くと長くなるのでここでは割愛するが、とにかく、上記の1~3の条件が全て当てはまる八百屋のオバサン(注)、例によって僕の中国語は、買い物以外の会話になると全く通じない。そんな折、買い物以上の会話が通じるためのある方法を見つけた。以下、僕:P、オバサン:A(阿姨のA)。

A:「アンタに売るメロンはないよ!
P:「――は(゜д゜;)?


いきなりの口撃に面食らう僕。そもそも、これはアンタのダンナが選んだメロンだぞ(笑)。

このオバサンの言い分は、現代中国における悪習の中でも僕が最も許せないものだったため、ここから怒涛の反論を展開したわけだが、その詳細は同様に省く。ここで大事なのは討論の内容ではない。買い物以上の会話が通じたこと。

中国語を聞き取ってもらうためには、

怒らせる → 真面目に聞く気を起こさせる

という2ステップを踏むこと(´∀`)!


――つまり、今まで僕の中国語が通じなかったのは、相手にもともと聞く気がなかったものと思われる。

僕の意見に反論はできなかったものの、徐々に仲間を増やした八百屋のオバサンと取り巻きの中国人たち。終いには討論もクソもなく、ただただ憎悪が渦巻く八百屋で、僕が学んだ「中国語を聞き取ってもらうための方法」でした(笑)。

一人でよくやったよ、僕も(´ω`;)

ちなみに、八百屋のオッチャンは「よく言った!」と言ってくれたので、戦争に関わることではありませんよ?念のため(笑)。

以上。

注:いつも我々に新鮮な野菜や果物を提供してくれる八百屋さんは、もちろん尊敬すべき、尊重すべき職業です。「教育に無関心」という言葉は、ガイジンにすら反論できない本記事に登場した八百屋のオバサンにかかっています。


中国人から見た日本語の難しさ ~発音編4~

2012-03-05 10:13:27 | 中国語学習関連
さてさて、中国人日本語学習者にとって難しい発音を挙げていく本コーナー。今回で最終回です。

1,濁音・半濁音・清音の区別がつかない
2,「ゆう」と「よう」の区別がつかない
3,長音と普通の音の区別がつかない
4,促音と普通の音の区別がつかない

今回は「4」について。その前に、促音について解説しておこう。「『っ』――小さい『つ』のこと」です。

これの理由は簡単

単純に中国語には促音がないから


なので、「がっこう」は「がこう」、「わかった」は「わかた」という風に発音してしまう中国人は多い。ちなみに、広東語には逆に促音が3種類あるため、広東語圏の中国人にこれは当てはまらない・・はず。

しつこいようだが、

「学校でPHS(ピッチ)を使ってチャットしながらサッカーしたら、速攻で勝ってしまった」

これを中国人にディクテーションさせてみよう!

多分、難しいはずです(笑)


ちなみに、ハルピン人以外では、主に広東語圏の中国人日本語学習者の特徴として、「『な行』と『ら行』の区別がつかない」というものもありますが、これは割愛致します。

以上、全4回になりましたが、「中国人から見た日本語の難しさ ~発音編~」を終わります。