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荒瀬ダム

2014年05月26日 | Weblog
初めて荒瀬ダムを見ました。

荒瀬ダムは日本で初めて撤去される事が決まって
日々着々と撤去工事が進んでいる熊本県のダムです。
昭和30年に竣工して以来、55年間操業したそうです。


発注者が熊本県となっております↓



関係者さんに話を伺ったところ、ダムは1年10ヶ月で作られたそうですが
撤去にはあと3年もかかるんだそうです。
技術的にはもっと早くできるらしいのですが、なにしろ初めての事なので
慎重にいろんな方法を試しながら解体しているんだそう。

帰りに近くの道の駅によったら、荒瀬ダムの事を展示していたので
さらに理解を深める事ができました。
パネル展示もあり、その中にダムが現役の時の写真があったので拝借しました。

【昔】


【現在】


左側が壊されました。
この先、どんどん撤去は進む予定です。



球磨川には操業しているダムがあと2つあります。
ひとつは荒瀬ダムの少し上流にある瀬戸石ダム。
そしてもうひとつは球磨川上流に位置する市房ダム。



荒瀬ダムが壊され始めて、劇的に川の環境が良くなったそうです。
ダムができる前の球磨川は、それはそれはとても奇麗な川で
(私的には今も全然奇麗だと思っていましたが、それ以上なんだなと思ってびっくりしました)
当時ホタルがうじゃうじゃいたそうです。
川の両脇にいる子供たちは、ホタルが光った時に移動するということもしたそうです。
また、当時のホタルの多さを表現するのに「ホタルの光で新聞が読めたくらいだ」と
83歳のおじいちゃんが言っていました。
そんなにホタルがいたって、どんなにか奇麗だったでしょう!!

そして、子ども達の遊びは川を泳いで渡ること。
泳げないと、向こう岸までいけなくて仲間外れになるから
みんな必死で泳ぎを練習して、泳ぎの上手な子どもたちになっていったそうです。
そして天候が荒れた日に、濁流の中に潜っていくと
川の底ではたくさんの砂利が川の流れとともに、ゴーゴーとすごい音を立てて流れているのが見えたそうです。
そんな天候の日に川の中に入っていくって、今では大ごとです。
事故になったら大変だからって、絶対やる子どもはいないでしょう。
でも、当時の子どもたちは泳ぎが達者で、何しろ川とともに生きてきたので
川とどうつきあっていけばいいのか、体験的に知っていたこともあいまって
誰一人として事故にあうような子どもはいなかったそうです。
なんか、すごい話じゃないですか。。。
少し教訓めいてますよね。

というわけで、とにかくそんな素敵な球磨川だったんだから
その少し上にある瀬戸石ダムもなくなれば、自然環境はもっと良くなるにちがいないです。
そして、さらに球磨川上流にある市房ダムは普段は放水していないので
なんの問題もないそうですが(球磨盆地の田んぼ用水などに使われています)、
大雨が降って、水の量が多くなってくると勢いよく放水しています。
私もこの地に移住して3年にもなるので、そんな風景は今まで何度もみていましたが、
今回、話を聞いたら「市房ダムの放流は、下流の方では水量も増えて水も濁って毎回大変な事になっている」との事でした。
そんなこと聞かないと全然知りませんでした。
その知らない事になんとなくショックでした。

それに、日本で初のダム撤去なのに、
現地に行ってみると、その事があまり盛り上がってない感じもしました。
でもそれには理由があるそうで…。
ダムがなくなれば、環境は俄然よくなる事は周知の事実なので
本当はそうなった方が自然環境には良いのに
あまり話題になったりすると、荒瀬ダムに続け!とまた第2、第3のダムが撤去に繋がるので
そうなってもらっては困るそうで、それでひっそりしておきたいのだそうです。。。
その話も聞いて、なんだか空虚な気持ちになりました。
構造は原発もダムも同じだし、
いったい人間って自然を壊しまくって何やっているんだか…と思います。


ひとつの水系でみんな繋がっているということを、頭じゃなく感覚として実感した一日でした。
これからも撤去作業は続いていくので、おりにふれチェックしてみたいと思います。
さらに詳しく荒瀬ダムの事を知りたい方はこちらをどうぞ↓


荒瀬ダム(wiki)



(番外編)
当時、こんなに水位があるほどの洪水があったそうで(薄いけど赤いライン)。
胸らへんまでありました。


コメント (4)
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