日本人の人なら誰でも知っていると思いますが、原子力が世界で初めて利用されたのが、他ならぬこの日本の国です。
1945年8月、6日に広島に、9日に長崎に原爆が米軍により投下されました。「原子力」=「核」の殺傷力は凄まじく、多くの人が命を失い、後々まで原爆の後遺症に苦しむことになりました。
このような「原子力」=「核」は戦争の中から、夥しい殺戮、破壊する道具として生まれてきたものです。今や地球そのものを脅かす存在になっています。
戦後列強大国は、核実験を続け、名目は「平和利用」に活用するなどとして「原子力発電」を進めてきましたが、その実「原発」は軍事増強、軍事戦略のために作られたものです。
超危険な「原子力」=「核」は科学的にも人類の手に負えるものではなく、数々の原子炉大事故を起こしてきました。(英ーウィンズケール大事故、米ースリーマイル島発電所事故、ソビエトーチェルノブイリ発電所事故など)、広島、長崎以降も現在に至るまで、数多くの人が原発事故の放射能のために、生命を落とし、夥しい自然環境が破壊されているのです。
ウランを核分裂させてできる「放射性物質」は猛毒であり、極めて微量で人間のみならず、全ての生命体を破壊することが出来ます。そしてこの猛毒を濃縮された放射線物質は半永久的に、強い放射線を発し続ける為に人間には管理することが出来ません。
地下300Mに閉じ込めようが、海底に閉じ込めようが、猛毒の放射線を発し続け放射能汚染を拡大し続けるからです。この「放射線物質」を作り続けること自体が人類と地球の滅亡に向かっているのです。
そしてこの放射性物質を作り出し続けているのが「原子力発電所」の「原子炉」です。今世界ではその超危険性のために原発から次々と撤退しています。しかし日本の国だけは、浜岡原発を撤退するとはいえまだ50基近くの原発が稼動しています。しかもこれらの原発の中にはるかに危険なプルトニウム混合燃料を燃やすプルサーマルが進められているのです。
原発でウランを燃やせば当然「死の灰」(核のゴミ)が作られ続けます。その量たるや、専門家の広瀬隆氏によりますと、100万キロワットの原発で毎日、広島原爆3個分の「死の灰」が原子炉の中で生まれるそうです。日本全体では広島原発20個分、一年間では4万個分の「死の灰」が作り出されます。そして何といったらよいのかこうして出来た使用済みの核のゴミは、最終的に処分することも、捨てる場所もないということです。使用済みの核燃料にはさらに高レベルな放射性物質もあります。
青森県六ヵ所村ではこうした核の廃棄物を「最終処分場ではない」としながらも、行き場のない核廃棄物の貯蔵を認めていますが、原発から毎日出される「核のゴミ」により第一貯蔵庫も、第二貯蔵庫も既に満杯の状態になっています。
そのため各原発の敷地に設けられたサイトに保管されていますが、もはやその各原発内に設けられたサイトでさえ一杯の状態になっています。これらの現実を東電と政府は一体どうしようと思っているのでしょうか?
原子力の専門家によりますと100万キロワットの原発からは300万ワットの熱が作られますが、電気にすることができるのは三分の一の100万キロワット分だけだそうです。
残り三分の二の200万キロワットの熱は常に海に捨てているとの事です。こうした200万キロワットの排熱は1秒間に70トンの海水にして、温度を「7度」も上げているそうです。こうした夥しい排熱は海の生態系を破壊するどころか、地球の生態系破壊と、環境破壊の大きな原因になっています。