今まで年賀状の挨拶を交わしてきた人から、「来年からは年賀状の挨拶をやめる」という趣旨の年賀状が毎年1通ほど来るようになった。お互い齢を重ねてきたからだ。私も徐々にそうしようと思い、今年からその旨を年賀状に書くようにした。
その判断の基準は、まず毎年印刷されたものを送ってくる人で、一行も書き足していない年賀状である。書くこともないということだから、そういう人とは、もう縁を切ってもよいだろう。
次に、自慢話を書いてくる人。その背後に「昨年私はこんなことをしました」というもので、その人の「こんなこと」については、私にとってはまったく関りがない。そういうことを書いてくるその人は、毎年そういうことを書いてきて、新年早々から自慢話かよ・・という気分である。今まで付き合ってきたが、もういいよ、というのが、私の判断である。こういう人には、ぜひセジウィックの『男同士の絆』、あるいは『100分で名著 フェミニズム』でも読んでほしい。ホモソーシャルな世界では、男同士の絆もあるが、その中では男性間の競争が行われていて、カネや権力、名誉や評判をめぐって争い、それぞれの男はその集団の中でより上位を占めようとする。「僕ってすごいでしょ」という内容の年賀状は、今までも不要であったが、これ以上はいらない。
年賀状のつきあいも、取捨選択の時期が来たようだ。