今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

ディック・ミネが語った あの歌手・このハナシ(第3章:70年代芸能人)

2006-12-06 19:32:17 | 昭和の名歌手たち
その1
佐良直美と一緒の仕事のあとにね、直美ちゃんがマネジャーの女の子とステーキ食べに行くっていってんだよ。
「おい、女だけで大丈夫かい。俺、一緒に行ってやろうか」
「大丈夫よ。もうすぐわかるわよ」

なんのことだか、そのときはわからなかったの。二、三日したら新聞に、あのレズ騒動が出てたよ。二人はデキてたんだもの、レズ同士なら心配ないわけだよね。
佐良は、まもなく新聞に書かれるのを知ってたのね。

あの頃の勢いなら、事前に記事を止めることもできたと思うんだけど、それをやらなかった。僕はそういう直美に惚れたね。



その2
「引退記念大売出し」大儲け、おめでとう。
「引退」っていう錦の御旗がなかったら、あれだけの商売はできなかったな。いや売った売った。この芸能界不況時代によくやったよ。

はるみはスポットライト浴びる快感てものを誰よりも知ってるタレントだからね。普通のオバさんに戻りたいなんて、いまさら家庭の中に収まるタマじゃないぜ。「引退」と書いて、しばらく休憩と読ませるんじゃないのかな。僕は予告しとくよ。きっとカムバックしてくるぜ。

「女としての人生を・・・・・・なんてえらそうなこといいましたけど、わたしにはやっぱり歌しかないってことが、あらためてわかりました。わがままなはるみを許してください。新人、都はるみのつもりで出直します」
なんてね。コマ劇場あたりでやるんじゃないの。あの子は歌もうまいし、性格もいい子だ。もし、僕の予言が当たったら、水臭いこといわないでさ、はるみ節に拍手してやろうよ。



その3
大阪で不良やってた子だからな、スケ番の元祖。ちっとやそっとじゃ消えない子だね。
あるテレビの番組で、ゲームやるのがあってね。負けると、足かせはめられて、くすぐられるなんて、バカなゲームなんだよ。そこで、僕がアッコの足をくすぐる段取りになったの。
「ミネさん、悪いけど靴下脱げないの。ディレクターにいってよ。わたしがいうとカドが立つから」
「なんだお前、足に模様が入ってんのか」
「エヘヘ・・・・・・」
ゴッド姐ちゃんっていわれるわけだよ。だからあいつはロングドレスかパンタロン。素足は出さないの。最近へアースタイル変えたら、いい女になったな。



その4
去年、水前寺清子のデビュー二十年ていう企画で、歌舞伎座へ応援に行ったときのこと。チータに
「二十年にほんの入り口だよ。お前さんにとって、歌手稼業はこれからが勝負だ。チータの歌に『大勝負』ってのかい、あの歌の詞にあるだろう。"前向け 右向け 左向け"って。右見て、左見て、男見たりするから八代亜紀みたいになっちゃうんだ。女性歌手にくっついた男、いろいろ知ってるけど、生意気なのにくっつかれたら終わりだよ。チータは決してよそ見するんじゃないよ」
と、これステージでやっちゃったんだ。チータが泣いてね。僕がチータほっぺたにチューしたら、二十年の汗と涙でしょっぱいの。

でも、チータは先輩を立てるし、歌以外のことは考えない。いい子だよ。隠れ亭主がやってた赤坂のステーキ屋を紹介されて、一緒に行ったんだけどね。僕にカネを払わせないんだよ。
「ダメよ、それでつぶれる店じゃない」
ってね。こういう子なんだよ。

こんなこともあったよ。テレビ東京の「懐かしの歌謡祭」のとき、僕の楽屋にでっかい寿司が届いた。これが名無しなんだよ。あとで寿司屋に聞いたらわかったんだけど、これがチータ。

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