今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

一枚のレコードからの推察(妄想)

2006-09-28 19:55:05 | 60年代・歌謡曲

ここに一枚のレコードがあります。
高英男ヒット集1

1963年に発売された4曲入りのお徳盤です。
「キング・セブンティーンシリーズ」というものの一つなようです。
BB-23、これがこの盤です。
ちなみにこのシリーズ、26までのリストを見てみると…
1位 三橋美智也(民謡集3枚、ヒット集3枚)
2位 ダーク・ダックス(山の歌集、ロシア民謡)
   ペギー葉山(ヒット集2枚)
   江利チエミ(チエミの民謡集2枚)
他のラインナップは、春日八郎、ザ・ピーナッツ、伊東ゆかり、倍賞千恵子、仲宗根美樹、ボニージャックス、大津美子、中原美紗緒・・・となってます。
(他は映画音楽やタンゴ等の演奏モノが5枚)

やはり・・・と言いますか、当然とも言えますが、圧倒的に枚数が多いのは三橋美智也でした。
さすがはレコード総売り上げ1億枚突破の国民歌手。

2位はダークダックス、江利チエミ、ペギー葉山のお三方。
昭和38年当時、チエミ・ダーク・ペギーは人気と実績のあるベテランとしてキングからも頼りにされていたと思われます。
ダーク…31年テイチクからレコードデビュー
チエミ…27年キングからレコードデビュー
ペギー…27年キングからレコードデビュー

浮き沈みの激しい世界で、10年前後のキャリアの歌手が人気を保っている、凄いの一言に尽きます。
意外なのが春日八郎。もう人気はひと段落していたのでしょうか?
ヒット曲はこの年「長崎の女」、翌年「ロザリオの島」…と続いていますが。
しかし、こういうシリーズモノは売れなきゃ枚数多くなりませんからね。
ペギー葉山は40年に「学生時代」をヒットさせます。ダークも41年に「銀色の道」をヒットさせます。
江利チエミは…というと39年「新妻に捧げる歌」が当たっていますが、どうも弱い。
覚えていない人はもう覚えていない、歌い継がれているかといったら否でしょうね。
歌っていた江利チエミが離婚してしまった上にあのような形で急逝…という部分も大きいですが、それでもチエミ関連の特番で取り上げられることはまず無いのは…。
ま、正直申し上げてたいしたことのない唄ですから当然といえば当然ですが…。

ヒット曲には恵まれなくなってきても人気はトップクラス。旧曲の売り上げは、しっかりとあることが調べていくうちにわかってきました。
エミの30年の芸能人生、晩年の不幸は実に哀しいモノであるがゆえ、そっちに関心がいってしまいがちですが、この頃のチエミのポジションはとっても興味深いです。集客力等では美空ひばりに肉薄していたというデータもあります。
昭和44年の紅白落選時にはNHKに苦情が殺到したということから、人気は充分あったと思われます。少なくとも三橋美智也・美空ひばり並みの人気。国民的歌手だったのじゃないのか…と考えられます。
それだけの人気だったチエミの人気ですが、やはり離婚+大借金(義姉の悪意による)が思いっきり足を引っ張ったのでしょうか?
思いっきりマイナスだったでしょうが、それでも新宿コマでの1ヶ月公演は78年まであります。離婚した翌年72年には芸術最優秀賞。集客力は一時に比べると落ちていたとしても、それなりに利益を上げられる程度の集客は出来ていたと考えられます。
75年の雪村いづみとのコンサート「ミュージカルタイトルマッチ」は驚異的観客動員だったそうです。
その後も東宝歌舞伎で長谷川一夫と競演したり、全国縦断リサイタル…いろいろ仕事を調べて行くと落ち目というほど落ち目にはどうも見えないんです。
亡くなった年もロス公演、舞台2本にドラマ主演が決まっていたそうですし…。

だから私は今テレビで時折取り上げられる江利チエミ特集には疑問です。
晩年は借金返済に終われドサ回り、返済が終わりこれから…の時に急死。
どん底まで転落に転落したようなVTRの作り。
そりゃキャバレーでの仕事も、今の宝石販売(羽賀研二とかがやってるヤツ)のさきがけとも言える着物の御見立て会のようなやりたくないであろう仕事もやっていたのは事実で、その部分を見る限りでは落ち目も落ち目です。
でもその一方で、梅田・新宿コマ一ヶ月公演も行なっている。
その舞台も様々なモノに挑戦している。
悲劇に描くなら悲劇に描くで、もっと大きい仕事の部分も調べて取り上げて欲しいです。
負ばかりが強調されるのは哀し過ぎます。
日活スタァに囲まれるチエミ
もっと明るい部分を出してもいいのでは無いでしょうか。
特に「ミュージカルタイトルマッチ」あたり。
一時はひばりに肉薄したということなど、ちょっと調べれば番組的においしい話題が山盛りなんです、江利チエミという人は。
せめてチエミを取り上げるなら、江利チエミ物語くらい目を通してからにして欲しいものです。
少なくとも、この前の「誰でもピカソ」のような訳のわからない番組は出来ないはず。
クレジット間違い多数、内容も前編なぞ半分ひばり特集みたいなもの。あまりにあんまりな出来に開いた口がふさがりませんでした。調査不足も極まってました。
江利チエミ30年の芸能生活の実績に見合った番組作り、及びレコード会社の商品への愛情、強く強く希望します。


チンペー久々の新曲「風の暦」

2006-09-14 04:29:48 | 最近の歌

谷村新司が9月13日に久方ぶりの新曲を発売しました。
え~当ブログ管理人・函館のシトは、チンペー愛を持っておりますので、当然購入いたしました。

オリジナル作品としては4年ぶり、シングル発売にいたっては6年ぶり…って、オイ。
まあ、2003年からは上海音楽学院教授ですから、仕方ないんでしょうけども。
ともかく、久々にヤル気を出してくれたのはありがたいです(^.^)
でも単独コンサートは、10月の東大寺野外コンサート以外は無いようです。
あとはみ~んなホテルでのショー形式。
「楽して儲けよう」感がチラホラ、ビンボー人にゃムリだよ…(泣)
せめて5000円くらいのリーズナブルなコンサートツアーを願えないもんだろうか。

…と、文句をタラタラ言ったところで曲の説明に入ります。
新曲の名は「風の暦」
チンペーとは1978年「いい日旅立ち」以来のお付き合い・JR西日本のCMソング
カップリングは「いい日旅立ち」「三都物語」「いい日旅立ち・西へ」と、歴代JR西日本CMソング集状態。何とオトクなシングルでしょう。これでたったの1365円ですぜ。
「新曲もついでに聴いてやろう」と気楽な気分で買える値段。
ああ、さすがは商売上手なエイペックス・イオ様(笑)

「曲は良いのか?」
谷村新司で「旅」ときて、外す訳がありません。
売れる・売れないに関わらず、過去振り返っても名曲の山です。
売れなかったけども、「心の駅」なんて涙モノでしたね…。
衰えは見られますが、まだまだチンペーは輝きを失ってません。
良い意味で枯れた感じが曲と絶妙にマッチしてます。
♪指切りをしたくて誰かをさがしてた 遠い夢のつづき 答えは風の中
メロディーが素晴らしい、ここ数年のチンペー提供曲にこのタイプが多いですが、やはり本人の歌声はたまりませんね。

ジャケットがまた爽やかなんですよ。
チョッとおヒョイさんチック
チンペーと爽やかとは無縁な気も昔はしましたが、今は年齢を重ねたせいか、小粋な老紳士という雰囲気を醸し出しています。
ちなみにこの画像は初回盤です。
チンペーファンのオバサマ、早いとこ買いに行かないと無くなりますよ(^.^)
撮影は何と鳥取砂丘。
「撮影中、○○が飛んでしまったりして大変だったんじゃないか」なぞと邪推(笑)
二重に帽子
ちなみに↑が通常盤。

何と期間限定でココでPV公開!
鳥取砂丘を歩く老紳士・チンペーを見ることが出来ます。
このPVはチンペーJr.谷村大輔が担当だそうです。

さて、いったいどのくらいの売れるでしょうか?
キャンペーンは西日本中心ゆえに、オリコン50位以内ってとこでしょうか?
ロングヒットして、今年の紅白では久々のトリ前あたりで熱唱してほしいですね。

では、最後にオマケを…
ココを御覧下さい、伝説の「忘れていいの」PVが見れます(^.^)
エロダンディー・チンペーもやはり捨てがたい…。