最近、谷村新司が活発にメディアに登場してますね。
「チンペー愛」を持つ私は、喜んで見ております。
今回取り上げるCDアルバムは
「21世紀BEST OF THE RED1972→`81」
97年発売です。
このアルバムはセルフカバーで、21世紀向けに改めて自分のヒット曲をアレンジし直したモノです。
「21世紀BEST OF THE BLUE 1982→」 と同時発売でした。
ファンの間では赤盤・青盤と言うとか言わないとか…。
ジャケに写ってるのはリンゴに見えますが、梨です。
21世紀梨…まあシャレですね。
まったくアレンジを変えた曲もあれば、殆ど同じだったり…様々です。
「おおっ~」と唸るものもあれば、「ええっ~」とガッカリだったり…。
でも買ってみる価値は充分あると思います。
音はバツグンに良くなってますし、チンペー円熟の歌声は素晴らしいです。
ちなみに赤盤と青盤なら赤盤の方をおススメします。
何せアリス&昴・群青・陽はまた昇る、が収録曲ですからね。
それでは参考になるのかならないのか、独断と偏見による紹介を・・・。
1.明日への讃歌
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
ピアノと共に静かに歌い始めるチンペー。
サビに近づくとストリングス等が入ってきて、大人なムード全開。
一番が終わるとジャカジャカと本格的な演奏スタート。
しかし、アリス時代のモノと比べると何か淋しくもあったり…。
「今の(97年当時)チンペー」ということではこれで良いのでしょうけどね。
2.冬の稲妻
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ロックンロールにアレンジされてます。
適度に力が抜けていて、聴き易いです。
これは成功といえると思います。
3.チャンピオン
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
アダルトなロック+ジャズテイストなアレンジに…。
歌われてるチャンピオンの国籍はどこ?という感じ。
なかなか洒落たアレンジですので、もっとテンポを上げたものなら良かったかも。
何か中途半端。大人のロック(+ジャズ)になりきれてませんね。
あと一歩…ってとこです。
4.今はもうだれも
作詞・作曲:佐竹俊郎/編曲:青柳誠
オリジナルとの違いはギターがアコギからエレクトリックギターへの変更。
確かに現代風に聴こえます。
この試みは面白いです、楽器一つでここまで変わるものなんですねえ。
21世紀バージョンになってます。成功です。
5.遠くで汽笛を聞きながら
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
アリス時代はサビ部分のコーラスだったチンペーさんの「遠くで~」。
(ちなみにこのコーラスは寿司のサビ的役割です)
感動的に仕上がりました。個人的な好みで行くと最近のベーやんよりGOOD!
このアルバム収録曲では1,2に入るくらい気に入ってます。
6.ジョニーの子守唄
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
アレンジはほぼアリス時代と同じです。
しかし、オリジナルに比べるとコーラスがオバサン臭いモノになってる…。
あと2番の後のギターのメロディラインはオリジナルを完全踏襲して欲しかった。
チンペーの歌唱が素晴らしい分、そのあたりが残念でなりません。
ホントに惜しい。
7.狂った果実
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ちょっと全体的に軽い印象を受けます。
この歌は、どん底での悲痛な叫びですから(映画版では主役は最終的に人を殺める)
それを思うとあまりにも軽すぎる気がします。
チンペーの声もまるで歌と合ってないようにも思えたり…。
この歌はべーやんだな…としみじみ思ってしまいました。
8.秋止符
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ハーモニカによる出だしがとても良いです。
秋特有の寂しさを見事に引き出すことに成功しています。
オリジナルの良さを生かした好アレンジです。
大成功です。
9.帰らざる日々
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
谷村新司ワールドなヨーロピアンアレンジ。安心して聴けます。
可もなく不可もなく…ってところですね。
10.それぞれの秋
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
もともとアリスワールドじゃなく谷村新司ワールドなのでさほどの変化なし。
やはりヨーロピアンなアレンジです。可もなく不可もなく…
11.マイ・ボーイ
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
JAZZYなアレンジに仕上がってます。可もなく不可もなく…
12.陽はまた昇る
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
「陽はまた昇る」(英語で)というコーラスから曲は始まります。
イントロのピアノはギターに変更。
後半のゴスペル風アレンジはなかなか面白いです。
もっと派手にいじっちゃっても良かった気がしますね。
13.群青
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
かの名優森繁久彌もお気に入りのチンペーの名曲中の名曲。
映画「連合艦隊」での撮影時には、砂浜にスピーカーを設置させ、「群青」を聴きながら演技したという伝説がございます。
感動的に仕上がってます、チンペーの歌唱も文句無し。
もっと派手なアレンジでも良いくらい。それだけの曲です。
14.昴-すばる-
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
谷村新司が産んだ最大のヒット曲。
チンペー亡き後でもこの曲は歌い継がれていくと思います。
一度オリジナルをショボくした再録音があったので心配してましたが、昴21世紀バージョンのこちらは大丈夫です。宇宙をイメージさせる雄大なアレンジに仕上がってます。曲が良いので派手なアレンジでも映えます。大成功です。
15.走っておいで恋人よ
作詞・作曲・編曲:谷村新司
こちらはクロージング的役割。
チンペーがギター一本でデビュー曲(アリス)をあの当時に帰って歌ってます。
なかなか爽やかで胸にグッとくるものがあります。
その他雑感等
・「あと少しで…」という曲等が結構多い。楽しめなくは無いがその辺は詰めが甘い。
・もっと冒険したアレンジでも良かった気がする。
好き勝手書いてみましたが、秋の夜長に紅茶でも飲みながら、このCDを聴くのはなかなか乙なものです。秋なアレンジした曲も多いですし。
レンタル等で見かけたらどうぞ借りてみて下さいませ。