今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

21世紀BEST OF THE RED1972→`81

2006-10-06 22:16:41 | 90年代・歌謡曲

最近、谷村新司が活発にメディアに登場してますね。
「チンペー愛」を持つ私は、喜んで見ております。

今回取り上げるCDアルバムは

「21世紀BEST OF THE RED1972→`81」
97年発売です。

このアルバムはセルフカバーで、21世紀向けに改めて自分のヒット曲をアレンジし直したモノです。
「21世紀BEST OF THE BLUE 1982→」 と同時発売でした。

ファンの間では赤盤青盤と言うとか言わないとか…。
ジャケに写ってるのはリンゴに見えますが、梨です。
21世紀梨…まあシャレですね。

まったくアレンジを変えた曲もあれば、殆ど同じだったり…様々です。
「おおっ~」と唸るものもあれば、「ええっ~」とガッカリだったり…。
でも買ってみる価値は充分あると思います。
音はバツグンに良くなってますし、チンペー円熟の歌声は素晴らしいです。
ちなみに赤盤青盤なら赤盤の方をおススメします。
何せアリス&昴・群青・陽はまた昇る、が収録曲ですからね。

それでは参考になるのかならないのか、独断と偏見による紹介を・・・。

1.明日への讃歌
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
ピアノと共に静かに歌い始めるチンペー。
サビに近づくとストリングス等が入ってきて、大人なムード全開。
一番が終わるとジャカジャカと本格的な演奏スタート。
しかし、アリス時代のモノと比べると何か淋しくもあったり…。
「今の(97年当時)チンペー」ということではこれで良いのでしょうけどね。

2.冬の稲妻
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ロックンロールにアレンジされてます。
適度に力が抜けていて、聴き易いです。
これは成功といえると思います。

3.チャンピオン
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
アダルトなロック+ジャズテイストなアレンジに…。
歌われてるチャンピオンの国籍はどこ?という感じ。
なかなか洒落たアレンジですので、もっとテンポを上げたものなら良かったかも。
何か中途半端。大人のロック(+ジャズ)になりきれてませんね。
あと一歩…ってとこです。

4.今はもうだれも
作詞・作曲:佐竹俊郎/編曲:青柳誠
オリジナルとの違いはギターがアコギからエレクトリックギターへの変更。
確かに現代風に聴こえます。
この試みは面白いです、楽器一つでここまで変わるものなんですねえ。
21世紀バージョンになってます。成功です。

5.遠くで汽笛を聞きながら
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
アリス時代はサビ部分のコーラスだったチンペーさんの「遠くで~」。
(ちなみにこのコーラスは寿司のサビ的役割です)
感動的に仕上がりました。個人的な好みで行くと最近のベーやんよりGOOD!
このアルバム収録曲では1,2に入るくらい気に入ってます。

6.ジョニーの子守唄
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
アレンジはほぼアリス時代と同じです。
しかし、オリジナルに比べるとコーラスがオバサン臭いモノになってる…。
あと2番の後のギターのメロディラインはオリジナルを完全踏襲して欲しかった。
チンペーの歌唱が素晴らしい分、そのあたりが残念でなりません。
ホントに惜しい。

7.狂った果実
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ちょっと全体的に軽い印象を受けます。
この歌は、どん底での悲痛な叫びですから(映画版では主役は最終的に人を殺める)
それを思うとあまりにも軽すぎる気がします。
チンペーの声もまるで歌と合ってないようにも思えたり…。
この歌はべーやんだな…としみじみ思ってしまいました。

8.秋止符
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:青柳誠
ハーモニカによる出だしがとても良いです。
秋特有の寂しさを見事に引き出すことに成功しています。
オリジナルの良さを生かした好アレンジです。
大成功です。

9.帰らざる日々
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
谷村新司ワールドなヨーロピアンアレンジ。安心して聴けます。
可もなく不可もなく…ってところですね。

10.それぞれの秋
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青柳誠
もともとアリスワールドじゃなく谷村新司ワールドなのでさほどの変化なし。
やはりヨーロピアンなアレンジです。可もなく不可もなく…

11.マイ・ボーイ
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
JAZZYなアレンジに仕上がってます。可もなく不可もなく…

12.陽はまた昇る
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
「陽はまた昇る」(英語で)というコーラスから曲は始まります。
イントロのピアノはギターに変更。
後半のゴスペル風アレンジはなかなか面白いです。
もっと派手にいじっちゃっても良かった気がしますね。

13.群青
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
かの名優森繁久彌もお気に入りのチンペーの名曲中の名曲。
映画「連合艦隊」での撮影時には、砂浜にスピーカーを設置させ、「群青」を聴きながら演技したという伝説がございます。
感動的に仕上がってます、チンペーの歌唱も文句無し。
もっと派手なアレンジでも良いくらい。それだけの曲です。

14.昴-すばる-
作詞・作曲:谷村新司/編曲:服部隆之
谷村新司が産んだ最大のヒット曲。
チンペー亡き後でもこの曲は歌い継がれていくと思います。
一度オリジナルをショボくした再録音があったので心配してましたが、昴21世紀バージョンのこちらは大丈夫です。宇宙をイメージさせる雄大なアレンジに仕上がってます。曲が良いので派手なアレンジでも映えます。大成功です。

15.走っておいで恋人よ
作詞・作曲・編曲:谷村新司
こちらはクロージング的役割。
チンペーがギター一本でデビュー曲(アリス)をあの当時に帰って歌ってます。
なかなか爽やかで胸にグッとくるものがあります。

その他雑感等
・「あと少しで…」という曲等が結構多い。楽しめなくは無いがその辺は詰めが甘い。
・もっと冒険したアレンジでも良かった気がする。

好き勝手書いてみましたが、秋の夜長に紅茶でも飲みながら、このCDを聴くのはなかなか乙なものです。秋なアレンジした曲も多いですし。
レンタル等で見かけたらどうぞ借りてみて下さいませ。


衝撃の一枚 Ballade Selection -明日に-

2006-06-11 02:52:45 | 90年代・歌謡曲

一度、このブログでも軽く触れたCD、Ballade Selection-明日に-(前川清)。
Ballade Selection-明日に-
先日、やっと手に入りました。

…どう言えばいいんでしょうか。
私にはうまく解説できる自信がありません( ̄□ ̄|||!
グリコのマークです、降参です(_ _,)/~~

ここで曲目御覧下さい。
徳永英明、GLAY、欧陽菲菲、中西保志、サザンオールスターズ、長渕剛。
…菲菲以外は前川清とはまったく無縁の世界の歌手。
(サザンも実は関連性十分ですが、それは追々…)
その歌い手の持ち歌、それを前川節で表現すると…!?

ではワタクシなりの解説・感想・報告を…
1.明日に(オリジナル:前川清)
作詞・作曲:梶原茂人 編曲:松永直樹
99年7月発売。
このCD発売時(99年9月)の最新曲。
ギターとシンセ・ストリングスのアレンジに、70年代フォーク+90年代バラードな歌詞。
前川清らしからぬ、しかし前川ワールド。
前川清=演歌、そうお思いの方には特に聴いて頂きたい名曲。
クールファイブ独立後第一弾シングル「花の時・愛の時」の続編、とも言えなくも無い。世紀末、一抹の清涼剤ともいえる曲。

この1曲目からして、前川のパブリックイメージが破壊される。


2.恋人(オリジナル:徳永英明)
作詞・作曲:徳永英明 編曲:竜崎孝路
徳永英明の89年のヒット曲(4月発売。編曲:瀬尾一三、最高7位・14万枚)
繊細な高音で切々と、男女の複雑な心を歌ったオリジナル。
それがテナーサックスのような渋み全開の前川のノドではどう調理されるか?

答え:これはこれでアリ…かも(^.^;
ただ…ただですね、前川清ですので、アクの強さは否定できません
もともと、森進一・青江三奈・矢吹健の系統をムード歌謡に持ち込んで、ジャンル革命を起こしたノドですからね。そこは頭においてくださいね(-||-)
>♪もォ~~~っとオオオ~高く~ もォ~っと オ~マァァァ~~~イ ラ~~ァァブ


3.涙(オリジナル:中島みきき・前川清)
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:若草恵
88年2月発売のシングル曲。
どういったところから、前川清×中島みゆきという組み合わせの話が出たのか?
まあソロデビュー曲は、坂本龍一作曲の「雪列車」である前川。
たいした意味は無いのかも。
前川の高音が遺憾なく発揮された上、フォークと歌謡曲と80年代音楽のすべてがぶち込まれた、なかなかの意欲作。絶品。
前川で、「うらみ・ます」なんて歌ったらどんなことになったやら…。
なお
みゆき盤は88年10月発売。
みゆきヴァージョンは狂女のつぶやきという感じ。
もっと、がなって欲しかったかも。
まあ、これはこれで良いんですけども( ̄ー ̄)


4.HOWEVER(オリジナル:GLAY)
作詞・作曲:TAKURO 編曲:竜崎孝路
97年8月発売(編曲:GLAY・佐久間正英 最高1位・134万枚・年間9位)。
90年代後半、大人気を誇ったGLAYの代表曲です。
GLAYの曲といえば、と「誘惑」「Winter,again」あたりとともこの曲をあげる人も多い
と思われる1曲。
個人的にはこのアルバム中、一番の問題曲であると断言できます。
私、キヨシスト(笑)でもあるんですが、GLAY(HISASHI・TAKURO)の後輩なんですよ(>O<)
…大分年齢は離れていますよ、もちろん。あの方々は確か5期生ですから。

話が横道にそれたので戻します。
前川の「HOWEVER」、すさまじいです。トンでもないです。
エッヘン
「中高年をナメるな」と言わんばかりに、これでもかと大熱唱。
一応HOWEVERですが、中身は別物。
我が友人は一聴して、絶句してましたけども( ̄ー ̄,)
でも、普通の中高年にゃ歌えまい(-^〇^-)
(友人:いや、中高年はまず歌おうと思わないだろ…) 
個人的に布施明に一度歌って欲しい。
余談ではありますが、五木ひろしも歌ったことがあるらしいです…。


5.愛がほしい(オリジナル:前川清)
作詞・作曲:伊藤薫 編曲:川村栄三
88年10月発売のシングル。
「HOWEVER」での衝撃のあとなので、アルバム中、最も一般的なイメージな前川清
がしっかり味わえます。
当時、有線あたりでバンバン流れていたと思いますが、どうだったんでしょうか?
クールファイブではない、前川清の世界がこの曲にはあります。
♪愛が~ほしい~ ここ~ろにぃ~~


6.ラヴ・イズ・オーヴァー(オリジナル:欧陽菲菲)
作詞・作曲:伊藤薫 編曲:竜崎孝路
82年にシングルのB面で世に出て、徐々に有線で評判になり、さっそくシングルを発売し、84年ヒット。
「恋の追跡(ラブ・チェイス)」「恋の十字路」といった歌謡ソウルを歌ったフィフィが

豊かな声量をバックに大熱唱したのがオリジナル。
ワラシ、フィフィヨ
”台湾台風”には”佐世保台風”で対抗(笑)


このアルバムのカバー曲では一番安全パイです(^▽^)
余談ですが、この曲、様々な歌手がカバーしています。
森進一、五木ひろし、やしきたかじん、内藤やす子、舟木一夫、美空ひばり…。
この曲はいつ、だれが歌っても良い曲であるようです(^^)V


7.花の時・愛の時(オリジナル:前川清)
作詞:なかにし礼 作曲:三木たかし 編曲:若草恵
87年2月発売。記念すべきクールファイブ独立第一弾シングル。
文句なしの名曲。ソロ・前川の代表曲といっても差し支えないでしょう。
切ない恋心を歌い上げたバラード。


8.最後の雨(オリジナル:中西保志)
作詞:夏目純 作曲:都志見隆 編曲:竜崎孝路
92年8月発売(編曲:富田泰弘)。じわじわと売れ続けたロングセラー曲。
作曲の都志見隆と前川は相性がバツグンに良い。
ソロ前川最大のヒット曲「男と女の破片」を筆頭に、名曲を量産している。
そんな都志見の作曲のこの曲、前川は余裕の快唱。
完全に自分の持ち歌にしている。


9.蛍…どこかで
作詞:福士久美子 作曲:井上大輔 編曲:梅垣達志・井上大輔
98年11月発売の「NEW BEST 神戸」に初収録。
その後、99年5月発売の「神戸」のカップリング曲となる。
おそらく前川清のアルバム曲ではもっとも歌われることが多い曲。
フォーク調バラード。井上大輔の隠れた佳曲。


10.真夏の果実(オリジナル:サザンオールスターズ)
作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:竜崎孝路
90年7月発売(最高4位・54万枚 編曲:サザンオールスターズ・小林武史)。
サザン三大バラードの一曲にも数えられる、夏の名曲。
桑田佳祐がクールファイブのファンで、「中の島ブルース」あたりまでのシングルは買っていた話は一部では有名。あの歌い方の何%は前川節があるのだ。
前川もサザンはお好きなようで、80年のクールファイブのライブでは「いとしのエリー」を熱唱している(LPライブ盤に収録)。
前川もプロ、しっかりと商品となっている。結構相性は良い。
一度、桑田佳祐に曲提供してもらって欲しい。


11.抱きしめて(オリジナル:前川清)
作詞:大津あきら 作曲:浜圭介 編曲:川村栄三
96年4月発売。同年の紅白歌合戦でこの曲を熱唱している前川に感動を受けた一女子高校生が福山雅治の「オールナイトニッポン」にリクエストしたことがきっかけとなり、久々の大ヒット曲&意欲作「ひまわり」が誕生する。
高校生の心を揺さぶっただけある、好バラード。
前川本人もお気に入りの1曲。
「ただ、売れなかったけどね」(本人談)


12.乾杯(オリジナル:長渕剛)
作詞・作曲:長渕剛 編曲:竜崎孝路
初めて世に出たのは80年。シングル化&ヒットは88年。
(88年2月発売 編曲:瀬尾一三・長渕剛 最高1位・77万枚)
結婚式ではおなじみの長渕剛のヒットソング。
人生の先輩からの応援歌ということで説得力充分。
アルバム最後の曲にはふさわしいかと。
友人いわく、「このカバー曲の中で一番合っている」そうです。



どうでしょうか?
聴きたくなってきたでしょうか(笑)
CDはとっくに廃盤ですが、ヤフオクにもちょくちょく出てますし、結構レンタルにあったという話も聞きますので、入手は何とかできます。
…ただですね、ただね、キヨシスト以外の方は、「前川清」であることをお忘れなく。
当方、苦情は一切受け付けませんので。