今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

チンペー久々の新曲「風の暦」

2006-09-14 04:29:48 | 最近の歌

谷村新司が9月13日に久方ぶりの新曲を発売しました。
え~当ブログ管理人・函館のシトは、チンペー愛を持っておりますので、当然購入いたしました。

オリジナル作品としては4年ぶり、シングル発売にいたっては6年ぶり…って、オイ。
まあ、2003年からは上海音楽学院教授ですから、仕方ないんでしょうけども。
ともかく、久々にヤル気を出してくれたのはありがたいです(^.^)
でも単独コンサートは、10月の東大寺野外コンサート以外は無いようです。
あとはみ~んなホテルでのショー形式。
「楽して儲けよう」感がチラホラ、ビンボー人にゃムリだよ…(泣)
せめて5000円くらいのリーズナブルなコンサートツアーを願えないもんだろうか。

…と、文句をタラタラ言ったところで曲の説明に入ります。
新曲の名は「風の暦」
チンペーとは1978年「いい日旅立ち」以来のお付き合い・JR西日本のCMソング
カップリングは「いい日旅立ち」「三都物語」「いい日旅立ち・西へ」と、歴代JR西日本CMソング集状態。何とオトクなシングルでしょう。これでたったの1365円ですぜ。
「新曲もついでに聴いてやろう」と気楽な気分で買える値段。
ああ、さすがは商売上手なエイペックス・イオ様(笑)

「曲は良いのか?」
谷村新司で「旅」ときて、外す訳がありません。
売れる・売れないに関わらず、過去振り返っても名曲の山です。
売れなかったけども、「心の駅」なんて涙モノでしたね…。
衰えは見られますが、まだまだチンペーは輝きを失ってません。
良い意味で枯れた感じが曲と絶妙にマッチしてます。
♪指切りをしたくて誰かをさがしてた 遠い夢のつづき 答えは風の中
メロディーが素晴らしい、ここ数年のチンペー提供曲にこのタイプが多いですが、やはり本人の歌声はたまりませんね。

ジャケットがまた爽やかなんですよ。
チョッとおヒョイさんチック
チンペーと爽やかとは無縁な気も昔はしましたが、今は年齢を重ねたせいか、小粋な老紳士という雰囲気を醸し出しています。
ちなみにこの画像は初回盤です。
チンペーファンのオバサマ、早いとこ買いに行かないと無くなりますよ(^.^)
撮影は何と鳥取砂丘。
「撮影中、○○が飛んでしまったりして大変だったんじゃないか」なぞと邪推(笑)
二重に帽子
ちなみに↑が通常盤。

何と期間限定でココでPV公開!
鳥取砂丘を歩く老紳士・チンペーを見ることが出来ます。
このPVはチンペーJr.谷村大輔が担当だそうです。

さて、いったいどのくらいの売れるでしょうか?
キャンペーンは西日本中心ゆえに、オリコン50位以内ってとこでしょうか?
ロングヒットして、今年の紅白では久々のトリ前あたりで熱唱してほしいですね。

では、最後にオマケを…
ココを御覧下さい、伝説の「忘れていいの」PVが見れます(^.^)
エロダンディー・チンペーもやはり捨てがたい…。


「Still Crazy For You」

2006-06-23 07:07:30 | 最近の歌

ナベプロ(渡辺プロダクション)50周年テーマソングであり、またクレイジーキャッツ50周年記念曲。

最初にこの話聞いたとき、ビックリしました。
第一、クレイジーキャッツのメンバーはハナ肇・安田伸・石橋エータロー(OB)が既に他界してますし、残ったメンバーも70代(植木・谷・犬塚)以上。櫻井センリは80です。
もうとっくにあきらめてました。と言いますか、ファンになった7年前から考えてません。
まさか、リアルタイムで、クレイジーキャッツの新曲が聴ける体験ができるなんて…。
もう曲の出来以前にそれだけで、渡辺美佐と松任谷由美に御礼申し上げたいです。

この「Still Crazy For You」、私の予想をはるかに上回る出来でした。
ボーカルが谷啓(と松任谷由美)。これで、私良かったと思います。
植木さんが歌っていたら、やっぱり往年の歌声を期待しちゃいますしね…。
(そもそも植木さんは病気で、もう歌えないそうですから、これしか選択肢無いんですけどもね。櫻井・犬塚でも悪くは無いですけど…)
まず演奏(ベース:犬塚、ピアノ:櫻井)にメンバーを参加させる、これ考え付きませんでした。てっきりコーラスだろうと。クレイジーキャッツが本来優れたジャズバンドである歴史をしっかり踏まえてます。
植木さんは台詞で参加。もちろんアノ台詞であります。

これだけで終わり…そうじゃありませんでした。
なんと亡くなったメンバーも参加しているのですよ、この曲。
当時のメンバーが演奏した音源を使ってサンプリングしたそうです。
(ハナ=ドラム、ピアノ=石橋、サックス=安田)
さらに、ナベプロ総帥の故・渡辺晋(ベース)まで!
初回盤のジャケも最新鋭の技術で、「全国縦断・追っかけのブルース」ジャケをベースに合成ときてます。

詩もナベプロ50周年の歴史&クレイジーキャッツへのオマージュに溢れてます。
曲も良い、ユーミン健在です。
どこを取っても、関係者のクレイジーへの愛が詰まってます。
下手に大滝詠一に関わらせなくて良かったです(笑)。

クレイジー=コミックソング、だから…と
作詞:青島幸男、作曲:宮川泰、プロデュース:大滝詠一
で、やってしまう選択もあったと思います。
ですけど、それをしなかった。
「実年行進曲/新五万節」での失敗をキッチリ踏まえたんでしょう。
もし作ったところで、それは往年のクレイジーソングとは違いますし、下手をすれば栄光の歴史に泥を塗りかねない。その時代にノッてないコミソンは駄作でしかありません、時代を超える普遍性すら出ません。
それに植木等の歌声では無い、無責任ソングをこしらえられても、それは別物。
それこそ「お呼びでない」なのです。

「新曲なんて無理、晩節を汚すだけ」
これは「実年行進曲/新五万節」でしっかり証明されました。所ジョージが言ってました「あんなモン、ファンなら誰でも出来る」。
確かにそうなのです。
曲は「大冒険マーチ」をベースにアレコレ切り貼り、ジャケットは「スーダラ節/こりゃシャクだった」のそれを再現。「新五万節」はダラダラと長い曲間にクレイジーのギャグとヒットソングのアレンジをつめこむ。
アマチュアのクレイジーファンなら誰でも考えがつきそうなことばっかりなのです。
こういうことはテレビの特別企画なら歓迎されますけど、新曲の次元ではない。
オマージュという言葉はこの場合は当てはまりません。
どちらかといえば厚顔無恥という言葉がしっくりきます。
こんな出来ですから、大滝詠一へ、所ジョージからは「地獄に落ちろ」「輪廻で生まれ変わったら草になれ」と言った言葉を贈られています。
(その後、大滝はこの経験を生かし、植木と「針切りじいさんのロケン・ロール」をつくり、ある程度は名誉挽回していることを付け加えておきます)

そんな最悪のラストシングルから二十余年。
ホント感無量です。クレイジー50年を飾るラストナンバー…。
ファンも、まったく興味が無い一般の方でも聴ける、良い歌がここにあります。


楽しさが詰まってます GOSPE★RATS

2006-06-22 23:59:51 | 最近の歌

当ブログでは初めて取り上げる、「今年の」CDです(笑)
何だか古い音楽ばかり聴いてて、「今の歌は…」と文句を言っていそうな私、函館のシトですが、そんなことはありません。

本来、鈴木雅之がメジャーデビュー25周年記念の一環で、ラッツ&スター再活動の話を進めていたそうです。
ところが、田代まさしメンバーの不祥事ですべてパーになってしまいました(涙)
「田代無しのラッツはラッツじゃない」とマーチンは思っているんでしょうね。
その代わりに…と、テレビの企画でやった「ゴスペラッツ」(ゴスペラーズ:酒井・村上、ラッツ:鈴木、桑野、佐藤)を期間限定ながら本格的に活動してみよう…となったようです。

「代わり」とか言ってますが、これ気合が入ってます。手抜きなんざ、まったくしていません。「ラッツ出来ない代わりだろ、なんて言わせない」と声が聞こえてきます
ラッツ時代以降は封印してきた黒塗りも披露しているあたりでもわかりますけど・・・。
古いのに新しい、温故知新…私の理想に合った素晴らしいモノです。
期間限定と言わず、今後も定期的に活動して欲しいです。

それではアルバム「GOSPE★RATS」の曲解説(感想)を。

1.ハリケーン
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:清水信之

ラッツ&スター(これ歌ってときはシャネルズ)のヒット曲のカバー。
もともとのメロディーが良いのは言うまでもないんですけど、アレンジが良いんです。オリジナルの良いところはそのままにゴージャスアレンジしてて。
小林克也のナレーションもGOOD!
聴いていて、楽しくなる・踊り出したくなる・歌いたくなる。

2.まさか赤坂Show Time
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:井上鑑

故・井上大輔の未発表曲。
「ゴスペラッツ」の存在を手っ取り早くわからせる曲。
ホント、「ゴスペラッツのために曲を書いてくれていたんじゃないか」、なんて思ってしまいました。ラッツ&スターの楽曲とはちょっと違う気がします。
シングルとして出すなら、この曲ですね。

3.リンダ
作詞・作曲:竹内まりや 編曲:松本晃彦

アン・ルイスのカバー。
鈴木雅之が全編ボーカル&台詞を担当(台詞の部分のボーカルは酒井)。
このあたり、ラッツ>ゴス、ですね(笑)
マーチン、やや声が細くなったようですが、まだまだイケてます。
コーラスが素晴らしい効果を上げてます。

4.Interrude~クイズ♪バーボボバー♪物語~
メンバーによるイントロクイズです(笑)
完全にお遊びです。
シャネルズ「月の渚」が少しだけ聴けます。
どうせなら全編吹き込んで・・・

5.星空のサーカス~ナイアガラへ愛を込めて編~
作詞:松本隆、伊藤アキラ(スパイス・ソング) 作曲:大滝詠一 編曲:井上鑑
ラッツの楽曲カバー&ボツ曲を復活させたもの。
曲の最後の溜息は大滝詠一と思われます。
「スパイス・ソング」の部分のボーカルは酒井が担当。あとは鈴木。
ミスターベースマン・佐藤善雄、大活躍。この曲のメインボーカルはある意味では佐藤さんであります。佐藤ファン必聴!
この曲は完全に遊んでます、でもそれが楽しい。

6.Valentine Kiss~永遠の誓い~
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:村松邦男

井上大輔の未発表曲です。
ボーカルは酒井と桑野が担当。
これはラッツ時代のアルバムでもちゃんとありました。
桑マン、トランペットだけではなく、歌の才能もお持ちなようです。
「夢見る16歳」で聴かせた美声を惜しげもなく披露。
ここに1曲、隠れた名曲が誕生しました。
歌のアルバムには必ずある、アルバムならでは…の名曲。
曲の最後の、メンバーによる「ハッピーバレンタイン」という台詞も素敵。
やっぱりここでも美味しいのは佐藤善雄でした。

7.時間飛行
作詞:東海林良 作曲:井上大輔 編曲:井上鑑

これも井上大輔の未発表曲。
曲はどう考えてもラッツ&スターじゃありません。
ゴスペラーズが歌ってもハマりそうなバラード。
新曲扱いになっている3曲の中で、なぜこの曲だけ作詞が東海林良?

…これはあくまで妄想なんですが、井上大輔が亡くなったときに布施明が「新曲を頼んであって、近いうち曲が届く予定だった」みたいなことを話していたんですよね。案外これがその幻の新曲なのかも知れません。
少なくともこれはラッツのお蔵入り曲ではないと思うんですが…。

ボーカルは鈴木・村上。リーダー同士によるぶつかり合い。
鈴木の圧勝か、と思いそうですが村上も負けてません。
間奏部の桑マンによるトランペットも絶妙。
シングルならこれがカップリングですね。

8.Skit~だからゴスペラッツ~
9.The Voice

作詞・作曲:Fred Parris
あちらのドゥーワップのカバー(多分)。
最後のオチにニンマリ。
最後まで遊び心は健在でした。


一気に全部聴いても飽きないようにしっかり考えられてますね。
おふざけとまじめ、このあたりのバランスが絶妙。
これは大人の娯楽です(子供でも結構楽しめるとは思いますけど)。
「故 井上大輔に捧げる」というクレジットに恥じぬ出来です。
井上大輔の曲無しではこのアルバムは語れませんしね。
ただクレジットを出しただけではないのは嬉しい。

これを気に、ラッツ&スター(シャネルズ)のシングル集やアルバム復刻がなされると私は嬉しいんですけど、それには最低、田代メンバーの仮出所~刑期明けまで待たないと期待できそうにないですかね、やっぱり。