もういいかげんにやめたら？

今回のフジテレビ「ＦＮＳ２７時間テレビ」は、完全な失敗だろう。

いや、「今回は」って言うと、これまでは他局も含めて成功していたみたいな言い方になるが、それにしてもおふざけがヒドすぎて、結局何が何だかわからなくなってしまった。

もともと、この「２○時間テレビ」ってヤツは、面白かったためしはない。

過去には「愛」だの「地球を救う」だの、それなりの大義名分をもってきてはいるものの、いかにもそれに向けてがんばってます、みたいな偽善者丸出しの姿が見え隠れしていた。

しかも、史上最軽量の頭をもつ会場の参加者などに支えられて、誰でもいいからとにかくマラソンをすれば「感動する」というパターンを定着させてしまった。

で、そういう反省（？）を踏まえて、今回フジテレビは「楽しくなければテレビじゃない」というキャッチフレーズで、「どうせ面白くないって言われるのだったら、オレらだけでも楽しもう」と考えたのだろうか。

そういううがった見方をしてみたとしても、あのフィナーレは何だ。

わざわざお笑い芸人の「極楽とんぼ・加藤浩次」を走らせた時点で、何かやるなとは思っていたが、あそこまでツマんない幕切れにするとは想像もできなかった。
その前の、岡村と具志堅のボクシングでやめときゃ良かったのに、何であんな風にしたのかね。

ボクシングにしたって、延長戦は余計だろう。
何で岡村を止めなかったのか。

たぶん岡村自身は、朦朧として、すでに番組のことなんか忘れていたのだろうから、まあしょうがないとは言え、あの延長戦はまったく意味がないだろうに。
最後に両者抱き合ってお互いに相手の健闘を称える、そうすることによってもっと面白くなったはずだ。

それだと主旨に反する、というのなら、ますます延長戦はおかしい。

結局、感動も笑いも両方とも逃がしてしまったわけだし。
で、最後が加藤浩次のお義父さん登場、ってこれで誰が喜ぶかね。
あんな素人のおっさんを出して、面白いか？
これで加藤を走らせた意味もなくなったあげくに、フィナーレそのものもブチこわしにしてしまった。
これが失敗といわずして、何だというのか。

なぜ、この手の「２○時間テレビ」がダメなのか。

それは、こんなの最初から最後まで見ている視聴者なんかいるわけがないからだ。

出演者は、そりゃあがんばってるだろうよ。
でも視聴者にとってみれば、どんなモノをいつの時間帯にやっているかもわからないし、たとえ見ていてもそのうち疲れてくるから、結局途中で見るのやめちゃうんだよ。

そんな簡単なことに、スタッフは気がつかないのかね。
それとも、最初から視聴者のことなんて考えていないんじゃないのか。
すべては自己満足のため、もしそうなら、こんなに視聴者をバカにしたものもなかろう。
でも、ホントは視聴者ってバカなのかも知れないけど・・・

さて、それはそうと、もちろん私も番組の大半は見ていなかったわけだけど、途中でやっていた「笑わず嫌い決定戦」を見て思ったこと。

それは「とんねるずは、もう完全に終わっている」ということ。
何年か前に、すでにナンシー関が看破していたことではあるけど、あそこまで人を笑わせることができなくなるものかね。

石橋も木梨が時折入れる合いの手も、全然ツッコミにもボケにもなっていないし、ただただしょうもないことを言っているだけで、ナインティナインの二人もフォローし切れないほどだった。

「自分たちは、もうアガリだ」と思っているのかも知れないが、ここから先は下り坂しか待っていないような気がする。
もしかして、もう２合目まで降りてきてるのか。

いつまでもわがままを通せると思ってねようじゃダメだろう。
見ていて、まったく笑う場面がなかったので、逆にビックリしてしまった。

今回の２７時間テレビの収穫って、もしかしてそれだけかも。