久々の八百屋

八百屋と聞いて、ピンと来る人は、『磯輪日記』の通です。

八百屋といえば、世界広しと言えども、おそらくここだけという「会員制
おでん屋」。私のお気に入りのお店のひとつです。

久々に昨日から今朝未明にかけて、親しいＳさんのリクエストで、二人で出かけ
ました。

Ｓさんは、もう何度も一緒に出かけていて、しばらく前から晴れて、八百屋の
お母さんに、会員として認めてもらっているのに、なかなか単独で出かけられ
ないようで、今度こそ強烈に印象を残して、単独潜入できるように狙って、
出かけました。

昨日は前半は、私たちだけだったので、時に二人で、時にお母さんも交えて
三人で愉快な会話を楽しみました。Ｓさんは、話題も豊富で、ビールから次第に
八百屋名物の赤ワインへとシフトしつつ、会話がドンドン弾んでいきました。

途中、おばさま軍団がいらっしゃり、その間は、私たちはもちろん、お母さんも
ずい分おとなしく、鳴りを潜めていましたが、この一群がお帰りになった途端に、
美子節が炸裂　　　

Ｓさんは、いつも「磯輪さんは長生きする」と言うのですが、この日はその話を
お母さんにしたところ、お母さん曰く、

　「あんた（私のことです）は、痩せているから、どこか悪いところがあるん
　　じゃないかと勝手に相手が思って、あんたには無理強いしないんだよ。
　　だからあんたは得するの！」

　そんなに私って、不健康に見える？　でもＳさんは優しいです。

　「いやいや磯輪さんは、ホント健康そうで、必ず長生きする」

としっかりフォローしてくれました。

そろそろ帰ろうかな～と思っていたら、お母さん、自分がもっとワイン飲みたい
ので、

　「もう一本いこうね」

ということで、ワイン２本目に突入。

お母さん曰く、

　「会員制だけど、これ以上会員は増やしたくない。今さら知らない人に
　　来てもらって、気を遣いながら商売なんぞしたくもない。
　　だから、よく　
　
　　　『誰か紹介してやろうか？』

　　って言われるけど、

　　　『紹介してもらわなくてもいいから、その分余分に食べに来て』

　　ってお願いしてる」

Ｓさんと二人で、

　「お母さんは、本当に自分の店をブランド化している。
　　八百屋に行きたくても、行けない人から、
　　　『八百屋知ってるなら、連れてって』
　　って言われるもん。すごいよね」

まさに　「イヤな客には売るな」の石原理論を実践している恐るべきお母さん！

　　　　　　　　　　　　

こういう究極のビジネスが出来るようにお互いなりたいものですね。

その後はお母さん、ろれつが回らなくなってきて、言ってることが半分くらい
分からなかった・・・　

帰り際、「お勘定！」って言ったら、「アレ、まだもらってなかった？」

なんと気のいいお母さん！　やっぱり八百屋は永遠に不滅です。