静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

わかたか上架

2019年02月21日 13時31分44秒 | 日記

お知らせです。
来年度入学生の追加入学試験がホームページにアップされました。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html

さて、年に一度の実習船わかたかの船底メンテナンスです。
20トン以上の船では5年に一度の定期検査と、その間の中間検査があります。
合計で5年に2回、造船所のドックに上架して検査を受けます。

でも、船は一年も経てば船底やスクリューに貝やフジツボがつきます。
このため、法定検査以外でもドック入りして船底をメンテします。
これが通称ペンドックです。

「わかたか」は6.6トンですから、ドックにはいる検査はありません。
とは言え、船底は汚れるので、毎年この時期に上架してキレイします。


機関先行が船に乗り、上架する場所に船を移動。
航海先行の生徒が迎えます。


上架後は、全員で一生懸命お掃除。
掃除が終わると学園に戻って、カッパの汚れを落としました。
このあと、船底にペンキが塗ってもらいます。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
学園の見学はいつでも受付しています。
日程については園長にご相談ください。
なお、学園への入学に関係なく、漁師になるための質問にもお答えします。

 園長のつぶやき
昨日、遠洋マグロはえ縄漁船に就職した48期の卒業生が学園に来てくれました。

現在生徒の実習は網づくりや修繕。
マグロはえ縄漁船でも、やることはあるそうです。
それとカツオの釣りの竿づくり。
これに使う「テドコ」と呼ぶ滑り止めも、マグロを引き揚げるカギ竿で使うそうです。
マグロ船の先輩方、彼ができることに驚いて感心したそうです。

漁船に乗ると、覚えなくてはいけないことがたくさんあります。
すでに知っていることがあると、他の新人よりも大きなアドバンテージ(優位な差)となります。

加えて、先輩漁師も「やるな」と思ってくれます。
同じ人たちと24時間暮らす遠洋漁船で、周りからプラス評価を得ることは大事です。

勉強は苦手で、学園にいるときに海技士試験に合格はできませんでした。
でも体を使う作業は得意でした。
 まだ17才ですよ。
  なのに過酷なマグロ漁船でがんばっています。
これから一流の漁師に育つのが楽しみです。
二週間後には、また1年のマグロ漁に出航です。

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網実習も終盤 袋網の作成

2019年02月20日 09時56分39秒 | 実習

網実習も終わりに近づきました。
生徒はタモ網や袋網づくりに取り組んでいます。


完成品はこんな感じ。

特に網を使う漁業に就職する生徒は気持ちを入れて取り組んでいます。
網の修繕や作成のできる漁師も減っているのが実状です。
でも、いちいち買わなくても、糸とアンバリ(網針)があれが自分でできる!
学園の卒業生は現場で重宝されますよ。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
学園の見学はいつでも受付しています。
日程については園長にご相談ください。
なお、学園への入学に関係なく、漁師になるための質問にもお答えします。

 園長のつぶやき
漁師になることを、富士登山に例(たと)えて昨日から書いています。
学園はどんなことをするんでしょう?

まず、富士山はどんな山であるかを教えます。
(入学後に、いろいろな見学などで漁業の現場と漁師の仕事を知ります)
そして、必要な装備を教えます。
(装備ではありませんが、ロープワーク、あるいは漁業実習などで必ず使う技術を練習します)
低い山を登ってみます。
(実習船「わかたか」あるいは遠洋航海実習)
遭難しないように登山の知識を得ます。
(海技士資格の勉強など)
時間をかけて山の環境になれます。
(寮生活で漁船環境に慣れる)
...などを少人数制で手取り足取り指導します。

これでスムースに漁師生活に入ることができます。

今回の例えでは、「山に登る」とは、「一人前の漁師になる」と言うこと。
簡単に一人前の漁師になれる魔法はありません。
自分の努力で登らない(努力しない)と技術は身につきません。
とは言え、そこに教えてくれる人がいるのと、いないのではぜんぜん違います。
オリンピックを目指す選手だって、コーチの指導があるんです。
「俺はコーチ(教えてくれる人)がいなくても大丈夫」・・・ほとんどが、根拠がない自信です。
まあ、そんな人もいるでしょうけど、コーチがいた方が確実です。

どうでしょう。
もし、あなたが一流の漁師を目指すならどうするべきだと思いますか?

さらに、明日はコーチ(学園の指導スタッフ)と名選手(現役漁師)の教え方の違いをお話しします。

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スクールカウンセラー

2019年02月19日 09時54分03秒 | 日記

今年度、学園で新しく始まったことの一つ。
4月以降、スクールカウンセラーに生徒の面談をお願いしました。
そのカウンセラーの先生ともお別れと言うことで、生徒にあいさつをいただきました。

先生から
「この一年で本当に成長したことを実感している。
 就職してからは、周りからの励ましがないかも知れない。
 ぜひ自分を励ましてください」
とのお話しでした。


今年度の入学者は前年と同じ19人でした。
しかし、昨年度の卒業は13人。
今年度は16人が卒業予定です。
入学者全員が卒業しないのは本当に残念です。
それでも、昨年度より3人も中途退学が減ったのは、カウンセラーの先生が寄り添ってくれたことも一因と思っています。

なお、お別れと言っても同じ先生に4月以降もスクールカウンセラーをお願いする予定です。
卒業後も希望者は面談してもらうことが可能です。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
詳しくは学園ホームページ、または漁師.jpをご覧ください。
なお、学園への入学に関係なく、漁師になるための質問にもお答えします。

 園長のつぶやき
さて、2月の海技士定期試験結果が各級とも出そろいました。
「自信がある」
と言っていた割には結果が伴わず、3月の臨時試験に汚名挽回?を誓う生徒もいました。

しかし、朗報も。
「限定なしの3級機関合格」がありました。
3級機関合格は学園創立以来3人しかいません。
限定なしは学園初となります。

この「限定なし」とは、「内燃機関(ないねんきかん)限定」がないと言うことです。
内燃機関とは燃料をシリンダー内で燃焼させるエンジンです。
船で使うディーゼルエンジン、クルマのガソリンエンジンは内燃機関です。
エンジンには内燃以外もあって、船で使われるのはタービンエンジンです。
なお、タービンエンジンは風車(ふうしゃ)と同じ仕組みです。
タービンエンジンは出力が大きく、高速船で使われます。
欠点は燃費が悪いこと。
大型漁船では致命的ですね。

このため、漁船では燃費の優れるディーゼルエンジンしか使いません。
学園の機関専攻も内燃機関限定で筆記試験を受けます。

漁船で使うかどうかはともかく、試験にはタービンエンジンも出題されるので難しくなります。
自ら高い目標を設定してチャレンジ、結果を出したのはすばらしいです。
こんな事例にも学園生のレベルが年々アップしていることが現れています。

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全日本海員組合の生徒取材

2019年02月18日 13時11分51秒 | 日記

全日本海員組合は遠洋漁船などで働く船員、労働者で組織する日本で唯一の産業別単一労働組合です。
船乗りの労働組合ですね。
その月間広報誌「海員」の取材がありました。ちなみに去年のもの。

これは「船員の母校を紹介」と言うことで、毎年特集を掲載してもらっています。
今年も生徒1人1人の写真を撮り、インタビューもしていただきました。
綺麗にまとめてもらうので、生徒の卒業アルバム代わりです。
この「会員」ですが、「ぜひ見たい!」と言う方には学園にある去年までの在庫を差し上げますよ。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
2月も見学会を行いますよ。
詳しくは学園ホームページ、または漁師.jpをご覧ください。
なお、学園への入学に関係なく、漁師になるための質問にもお答えします。

 園長のつぶやき
先日、焼津水産高校と来年のことを打ち合わせしました。
その中で
「公立高校も定員割れが多くなっている。
 この時期に定員を増やすのは大変ですね」
と言うお話しがありました。

そうです。
学園は来年度から定員が30名にアップです。
現在の建物は定員40名のときに作りました。
建物的には良いのですが、10年前に定員を20名に変更したとき職員も減りました。
実習船「わかたか」や見学などで使うバスも20人用です。

そして、一番の問題。
30人の入学希望者を確保できるか?
   園長、どうなんだ!
と言うことです。

この2年続けて19人の入学者ですからね。
簡単じゃないです。
実は、来年の入学希望者は30人以上となりました!
入学試験では、なるべく受け入れる方針でした20人をかなり越える合格者となりました。
ですが、入学者は30人に届きません。

そんな訳で、追加入試を行うことになりました。
詳しくは今週中にホームページで発表します。

で、話しを戻します。
公立高校に限らず、私立高校、大学、専門学校・・・多くが定員割れです。
学園の生徒確保も簡単ではありません。
それでも、業界は漁師になる若者をますます必要にしています。
学園への期待も大きくなっています。
ですから、学園もがんばって漁師を育てていきます!

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マラソン大会

2019年02月15日 10時51分56秒 | 学園行事

この行事があると、生徒も卒業だなぁ・・・と言うのがマラソン大会。
大井川沿いのランニングコースで10kmを走りました。

まずは開会式。

一人の生徒がおもむろに服を脱ぎます。なに?

派手なスタイルで選手宣誓でした!

今年は生徒の家族も応援に駆けつける盛り上がり?で生徒も張りきって走りました。
練習のタイムで時間差をつけてスタートです。


あの格好(選手宣誓)で走るんじゃないの??

そして中間地点。


約1時間で全員がゴール。


「がんばった」感をアピールする人(例のやんちゃ坊主)も!
本当はどうなんだ!?


学園に戻って表彰式。
まず3位。


そして2位。


で優勝!


トップは学園レコードを更新してくれました。(袋は商品のお菓子です)

あの選手宣誓は伊達じゃなかったね!



Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
2月も見学会を行いますよ。
詳しくは学園ホームページ、または漁師.jpをご覧ください。
なお、学園への入学に関係なく、漁師になるための質問にもお答えします。

 園長のつぶやき
この2年ほどで「漁業に転職するために学園に入学する」人が急減しています。
これは何を意味しているのでしょうか?

東京、大阪で開催される漁業修業支援フェアで多くの転職希望者と会います。
多くの方が「漁師は誰でもできるし、簡単に稼げる」と思っているようです。
漁師になる目的が「楽に稼げる」なんです。

こんな人は、現在のように求人が多い状況だとどうなるでしょう?
目の前にちょっと、気を引く仕事があれば、方向転換です。

実際に漁師になったところで、思っているのとは違います。
 楽な仕事もありますが、それは稼げない。
 稼げる仕事は技術や資格が必要で誰でもできる訳ではない。
と言う現実に気づきます。
あるいは、もともと楽を求めた人なので、ちょっと辛いことがあれば逃げ出します。

転職のために学園入学する人が減少しているのと同様、転職で漁師になる人も減っていると思います。
これは考え方を変えれば「本当に漁師を目指す人以外が減っている」のかも知れません。

ところで、来年度の学園入学者は3年ぶりに中学卒業者がだいぶ増える見込みです。
入学試験の面接では、中学生と言えど漁師になる気持ちが明確な人たちでした。
学園の入学志願者は年変動が大きく、必ずしも増加傾向とは言い切れません。
でも、本当に漁師になりたい人の割合は着実に増加しているのを感じています。

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