静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

47期生の卒業作文1

2017年03月15日 13時12分10秒 | 学園紹介

漁師になるための学校、漁業高等学園の平成29年度入学生の第2次募集を行うことになりました。
試験日は3月28日(火)です。
明日にはホームページが更新されますので、詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html

さて巣立っていった47期生。
それぞれが、出港に向けて準備をしています。
卒業式の直前に書いてもらった作文を紹介します。
近く、ホームページにもアップする予定です。
文面は原文のままです。

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この1年は、私にとって大きく濃いものになったと思います。
今思っている事は、この学園に入って先生方や環境に恵まれたと思っています。
人数が少ない中での授業や施設見学で一般では見ることができない場所の見学などとても貴重な経験ができました。
ありがとうございました。

思えば何も分からないまま入学してきた昨年の四月は苦労しました。
勉強も大変でしたが何より大変だったのは人間関係でした。
私は口が悪くあまり良い印象をもたれなかったと思います。
そんなに私に一番最初に声をかけてくれたのは○○でした。
彼のおかげで他の人とも話せて輪の中に溶け込むことができたと思っています。
職場での人間関係はとくに大事です。
自分から話せない人もいると思いますがこうやって少しのつながりを大きな輪に変えるのは自分の力だと思いました。
何でもいいから小さい事から周りの人と仲良くできるように○○でもがんばります。

学園生活をおくる中でやはりイライラすることもありましたが、カッター・遠泳大会・サバ祭り・マラソン大会・海技試験・各施設見学など行事をはさむごとにリセットされ怒りあり笑いありの生活でした。
ケンカや言い合いをすることもなくて過ごしやすかったです。
カツオで一ヶ月海に出たとき*1はまた別で船酔いばかりで最悪でした。
操業始まる前まではがんばれましたが操業六日目までに他が釣れて自分は釣れずいい加減にしてくれと思ったのが一番の思い出です。
ですがカツオが釣れたときはうれしくて楽しい時でした。
途中トラブルもありハネも一本流し釣り台見たら血だらけでカツオの血かと思ったら自分の血で大変でした*2
でも漁師カッコイイと頭の中にありました。
そんな漁師にいよいよなるわけですが誰が見ても恥じない漁師になるとこの作文をかりて宣言します。
お世話になった先生方の期待と周りの人と家族の応援を裏切らないようにします。
この1年はあってよかったと思える一年でした。

*1 遠洋航海実習のこと
*2 釣りあげるときにヘルメットの金具が指に当たり、皮を切ったようです。
   文面から大出血に思えますが、指を切って少し血が下に落ちた程度みたいです。

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寮での共同生活は苦労も少なからずあります。
でも、その苦労から大事なものを得る事ができたのではないでしょうか。
彼はとても思いやりのある、仲間に優しくできる人です。
これから働く船でも、良い人間関係を築いてくれると思います。
寮の運営は我々学園スタッフにも負担が大きいですが、こんな作文を読むと簡単に辞めるわけには行きませんね。

漁師になりたい方の学園見学はいつでも受け付けています。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 園長のつぶやき
作文の筆者は、スポーツマンで中学高校の部活では大活躍した人です。
そんな彼も、学園では人間関係や船酔いで苦労しています。
この1年で、仕事を頼んでも嫌な顔をすることなく、周りのために動くことができるように成長したのを感じます。
もし、学園との出会いがなく、直接、漁船に乗ったらどうなっていたでしょう。
持ち前のガッツで乗り越えたかも知れません。
ただ、学園に来るよりも何倍も大きな試練となったと思います。
恐らく、彼の中学、高校時代より学園での1年は大変だったと思います。
だからこそ、大きな成長を得る事ができたと思います。

コメント
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