静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

ロープワーク「さし」

2016年05月26日 13時22分30秒 | 実習
ロープワーク実習で「結び方」についてご紹介してきました。
カッター訓練と平行して取り組んでいるのが「さし」です。
「さし」とは、端末処理のことです。
切ったロープの端を解けないようにしたり、環を作ったりします。
このとき、千枚通しのような道具「スパイキ」をロープに刺して作業することから「さし」と言われるようです。




これも、重要な実習です。
YouTubeに動画もアップしてありますので、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=z7xE-lcUf1c


【道具の使い方を覚える】
どんな職業でも、就職したら覚えることがたくさんあります。
そのとき、基本的な道具の使い方を知っているかどうかは大きな違いです。
私の行った中学は、実験の好きな理科の先生がいました。そのせいか、毎週実験がありました。ピペット、フラスコ、ビーカーなどガラス器具の使い方は、その実験で覚えました。
私のような水産技師は、研究所で化学分析をしますが、ガラス器具の基本操作を知らない人は少なくありません。中学や高校で実験の経験がないと言うことです。
理科の教科書には、ガラス器具の使い方は出ています。でも「実際に使った経験があるか、ないか」は大違いです。経験がない人は、分析方法を覚える前に、器具の使い方から覚えなくはなりません。
この学園をでていない漁船員も、ロープワークはできます。でも就職直後の苦労は、学園の卒業生よりずっと多かったと思います。漁業で使う道具は多いですが、ロープワークは毎日、必ずありますから。

さて、後になって知りましたが、毎週理科実験をやる中学って珍しいみたいですね。実験後はレポート(目的、方法、結果、考察を書く)が宿題になるので生徒も大変でしたが、実験の準備をする先生はもっと大変だったと思います。しかし、ガラス器具の使い方だけでなく、目的-方法-結果-考察と言うアプローチを繰り返しやったことが、今でも役立っていると思います。
コメント
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