感想

バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

意訳 方丈記   3

2007年02月22日 | 雑記
8 また、治承四年卯月のころ  (辻風)

 また1180年4月頃(新暦では3月)中御門京極あたりより大変強い辻風が起こり六条あたりまで吹きぬけることがあった。


9 三四町を吹きまくる  (辻風)

 三・四町(1町はおよそ120m四方)を吹きまくる間に大きな家も小さな家も一つ残らず壊された。平らに潰れた家や壁が飛ばされ桁や柱だけが残った家もある。門は5・6百メートルも吹き飛ばされ、また垣根も吹き飛ばされ隣家との境もなくなる。いわんや家の中の家財もまとめて空に舞い上がり、屋根(材)などはあたかも冬に枯葉が風に舞い上がるようであった。塵が煙のように吹き立ち、まったく目も見えず、同時にものすごい風の吹きすさぶ音で、人の声も聞こえないほどであった。地獄の業風でもこのように凄まじく吹くことはないであろう。またこれにより家が壊れただけではなく(片付けたり修理している間に)ケガをして不具になってしまった者数知れず。この風、南南西の方へ移動し、更に多くの人を嘆き悲しませた。


10  辻風はつねに吹くものなれど

 辻風はいつも吹くものではあるけれど、このような甚大な被害になった事もある。これはただ事ではなく、まさに神仏の警告ではないのかと疑っていたのであった。




(方丈記は37話まで続きます………続けばですが)
コメント (2)
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