虚構戦役の戦導師3巻の感想レビュー（ライトノベル完結巻）

MF文庫Jのラノベ、『虚構戦役の戦導師＜アンシミュレイテッド・インキュベーター＞　３　進撃の刻』（田尾典丈先生原作、村上ゆいち先生イラスト）が発売中です。

表紙は、帝輝、凰楽、椿姫の幼なじみトリオ。
紆余曲折はありましたが、本来の絆を取り戻した3人の表情はとても晴れ晴れとしていて心強いですね。
これは友情&恋愛補正高そうだわ(*´∀｀*)ポワワ

お話的には、シリーズ初期三部作のラストを飾るLoR３の世界に移動してきた帝輝達でしたが、ロード不可能という事実に加えて、ゲーム難易度も大幅アップで大ピンチ！
無事に脱落者を出すこと無く現実世界に帰還することは出来るのか？という、クライマックス展開です。

主要キャラ勢揃いの気合の入ったカラー口絵や、目次のタイトルに目を通した時点でなんとなく最終巻になりそうだと予感したのは自分だけではないはず。
もっと続きのお話が読みたかった自分としてはもったいなく感じてしまいましたが、帝輝達の選択と、それぞれが築いてきた信頼関係についての掘り下げが丁寧に描かれていましたし、虚構の世界の中でも本物の絆を培う事が出来ることがしっかりと証明されたので良かったかと。
レベルカンストしてこれ以上経験値をゲット出来ない帝輝でしたが、数々の試練をクリアする過程で、目に見えない、数値化されない貴重な経験をたくさんゲット＆宝物を得ることが出来て何よりでした(*´∀｀*)ポワワ
世界の謎や敵の正体といった部分の解明よりも、帝輝達が今後生きていく未来を優先する方向でまとめたのは意外でしたね。
ただし、全員揃っての帰還は帝輝達の悲願であり、最大のモチベーションだったわけですから、ここで帰還に失敗して次の作品世界へと繰り返し移動すればするほど、ホームシック要素も加わって戦線が崩壊していた可能性も高かったかと。
ギスギスした空気のままでは実力を全て出しきる事は出来なかったと思いますし、そうなる前に堅実＆速攻メインでクラスメイトたちを導いて行った帝輝は、さすがリーダーやでぇ！といったところでしょうか。

ラブコメ的には、椿姫のメインヒロイン補正の強さがまさに正妻の貫禄！という感じでしたが、真桜と御影のヾ(*´∀｀*)ノキャッキャ(´∀｀*)ウフフイベントもありましたし、なかなかの好試合ぶりでしたね。
ハーレムものらしさを出しつつも、正々堂々とライバル宣言して帝輝のハートをつかみ取ろうとするヒロインズの一途さが感じられてとても可愛いかったです。
新ヒロインの追加こそ無かったですが、ある意味では鳳楽をはじめとした男子キャラ達との友情イベントがホモォ…でいいぞ、もっとやれｗ
新作某手強いシュミレーションでは同性婚も出来るという噂ですし、狙ったのか発売日が同じなのもある意味運命的ですなぁ(;゜∀゜)=3ムッハー

バトル的には、理不尽高難易度ゲーノーリセットクリアを目指すクラス団結ドキュメンタリー重視で、それを彩るイベントとしての側面が強かった気はしますね。
細かい個々のステージについてはざっくり駆け足で、要所のボス格との戦闘をドラマチックに描いたのが好印象でした。
クラスメイト達が戦闘に慣れ、連携が密になった今だからこそ、リーダーとして全幅の信頼を置く帝輝や軍師職の指示を仰ぎつつ攻略を進めることが出来たわけで、よほどのイレギュラー以外に対しては十分対応可能だったということなのでしょうね。
シリーズ的なラスボスの登場については、存在こそ明かされていたものの、尺的にやや唐突に感じられましたが、舞台を良い感じにかき回してハラハラさせてくれたので盛り上がったかと。

不条理に巻き込まれてしまったとはいえ、今回の冒険を通じてクラス全員がお互いを深く理解し合うことが出来たのは、彼らの今後の人生にとって大きなプラスになりそうで良かったですね。
SRPG好きな帝輝ですが、今後はそれ以外の場面でもクラスメイト達と楽しく青春を過ごすことが出来ると思いますし、まさに一生ものの絆を得られたのは何よりでした。
単純にゲームに溺れるのではなく、ゲームを通じて得られた知識なり忍耐力なり成功体験なり楽しさなりを現実でも有効活用して、人生にうるおいを与える＆有意義な人生を過ごすことが出来れば理想的ですね。
虚構の世界の中で本物の絆を見つけるというテーマが胸熱でした。


両先生ともシリーズ完結おめでとうございます＆素敵な作品をありがとうございました。
次回作を楽しみにしておりますm(_ _)m


気になった方は是非、チェックなさってみてくださいませ。


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