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gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

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僕の妹は漢字が読める1巻の感想レビュー(ライトノベル)

2011年07月01日 20時27分41秒 | ライトノベル・小説
HJ文庫のラノベ、『僕の妹は漢字が読める』(かじいたかし先生原作、皆村春樹先生イラスト)が発売中です。
第5回NJ大賞 銀賞受賞作品ということで話題の本作。
その特徴的なタイトルと、公式の立ち読みページで公開された冒頭部分のシュールさから、発売前からラノベクラスタで話題になったり、重版がかかったり、大手情報サイトで取り上げられたりと、最近の新規ヒット作品の流れに沿った好調な滑り出しを見せているようですね。

表紙は、メインヒロインであり、主人公の義妹であるクロハ。
タイトルにある通り、23世紀では貴重になった漢字を読むことが出来る才能の持ち主の彼女。
常識人だけど、典型的なツンデレ&むっつりブラコンな性格がマニア心をくすぐりますね。
なにはともあれ、黒スト最高です(・ω<)

お話的には、むしろ立ち読みの範囲ではほとんど触れられていないのですが、23世紀に生きている主人公のギン他登場人物達が、なぜか突然21世紀にタイムスリップしてしまう…という時間遡行モノです。
同時に、ギンが理想の女性としてイメージしている文学作品(ジャンル=妹萌えモノ)のヒロインと似た少女、ユズと出会うボーイ・ミーツ・ガールものでもあるという事を考えれば、王道の時を越える系ラブコメ作品とも言えるかと。

立ち読みの時点では『なるほど、わからん』状態だったわけですが、果たして本作の着地点は何処なのか?ということが気になって、結局買わざるを得なかったですね。
そういう意味ではプロモーション上手いなぁというか、ラノベクラスタのアンテナ役の人達がよく見つけてきたなぁというかw
〇〇は××ない系の否定するタイトルが流行する中、あえてのシンプルな全肯定タイトルというネーミング自体が却って新鮮ですが、立ち読みが無かったら購入までは行ってなかったかも。

ロリな妹ハァハァという残念系ジジイ=オオダイラ氏のキャラを生かしたギャグ押しで進むのかと思いきや、まさかジジイ自らが◯◯化してしまうとは…これは流石に展開を読めませんでした、というか、読めちゃイカンだろうw
後の理由説明を見ても、普通ならナルホド、納得いかん!と思うところがこの作品だとなんとなく許せる不思議。

ロリ妹萌え文化が世の中を席巻しているという23世紀の設定自体が不条理の塊なわけで、それを前提としてのお話なので当然といえば当然なのかも知れませんが、その時代の文化を反映したものが文学として認められる、あるいはその逆に文学として認められたものが文化に大きな影響を与える、という考え方自体には一理あるわけで。
その事実が終盤の展開の伏線として生きてくるシナリオ運びは、当初の予想と違って丁寧で目からウロコでした。

ギンの天然故に裏表の無い性格に惹かれていくユズの乙女心といい、義兄であるギンを本心では慕いつつも、素直に言い出せず、また『道ならぬ恋』ゆえに引け目を感じて前に出れないクロハの複雑な胸中といい、まさに王道の文学で語られるようなタイプの恋模様が描かれているのも大きなポイントでしょうね。
そんなふたりが、お互いの想い人が同じであると女の勘で薄々感じつつ、友情関係を深めていくという流れも、青春特有の青さ、淡さの中に見え隠れする情熱やら甘酸っぱさやらを感じさせてくれて好印象でした。
クライマックス部分の、言葉ではなく文字で想いを伝えるところなんて、正に古典文学チックでゾクゾクしましたし、このあたりはかなり意識して描かれているんだろうなぁと感心させられました。

場面転換が唐突で、一見、すわ、超展開?と思わせられる部分もありましたが、読み進めてみると意外とアレが伏線だったのか~!とか、タイムトラベルものとして考えれば妥当な方向から回収(゜∀゜)キタコレ!!みたいな部分が多く、読み終わってみるとある程度納得したな~という読後感でした。
個人的には、無理に2巻に続けないで、引いた部分のオチまで含めた単巻モノとして綺麗にオトしたほうが良かった気がしますが、上手く話題性を味方に付けることが出来た現状では、この方が望ましいスタイルだと捉えるべきだろうなとも思います。

オオダイラ氏以外のキャラについては比較的ステレオタイプであり、設定の奇抜さに比べると意外性はあまり無かったですが、ステレオタイプゆえの安定感がありましたし、そのキャラらしさが感じられる描写が丁寧に描かれていて良かったと思います。
感情移入して云々というより、ホームドラマを眺めてニヤニヤする感じに近いかなと。
特に、クロハは、表紙絵になっている割にはラブイベント系をユズにがっつり持って行かれて不憫かな~?という印象だったのですが、終盤になって色々とその本音の部分が他者によって明かされる過程がいじらしく、急速に好感度が上がっていった感がw
順当に考えればそうだったんだろうけど、ここでギャップ萌えかよ!みたいな。
劇中の名言も上手く収束していましたし、さすがメインヒロインは違うわ~♪

余談ながら、オオダイラ氏の熱烈なロリ嗜好はともかく、クロハにしてもユズにしても、妹という立ち位置にそれぞれ思い入れはありつつもロリっ娘では無いので、そこがロリ好きで紳士な読者層にどう受け取られるのか気になります。
2巻への引き方を見ていると、ロリラノベ界のシュタイン◯・ゲートを目指すのかしら?みたいな心持ちになってニヤニヤしてしまいますが、単なる一過性のブームで終わってしまうのか、更なる衝撃と賞賛をもって受け入れられていくのか、早くも正念場となりそうで楽しみです。

元々ロリラノベ、妹ラノベが好きだ~!な方にはもちろんオススメですが、むしろ普段そっち系はあまり興味がなくて読まないという方にも、食わず嫌いせずに実際に読んで頂きたい作品ですね。
何か新しい系の作品を読んでみたいな~という方にもオススメ。


気になった方は是非、チェックなさってみてくださいませ。

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