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『丘ルトロジック』の感想レビュー(ライトノベル)

2010年10月31日 02時58分27秒 | ライトノベル・小説
角川スニーカー文庫のラノベ、『丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ』(耳目口司先生原作、まごまご先生イラスト)が発売中です。
公式でも、『第15回スニーカー大賞《優秀賞》。選考委員を最後まで悩ませた問題作!!』というキャッチコピーが銘打たれており、どんなお話か気になっていた方も多いのではないでしょうか?

表紙は、丘研(オカルト研究会)の『代表』こと、メインヒロインの沈丁花桜(じんちょうげさくら)。
仁王立ちスタイルキタコレ!
黒髪ロングで整った顔立ちながら、美しさよりもカッコ良さを感じるイメージですね。
主人公の咲丘(さきおか)によれば、結構な巨乳ということで、いやはや結構なことですw

お話的には、そんな代表と咲丘のボーイ・ミーツ・ガール開幕…ではあるのですが、基本的にはラブコメではなく、未知の現象や謎と遭遇した丘研のメンバー達が、それぞれ持ち前の知識や技術、能力やコネを使って解決したり、もっとカオスな状況を生み出したり…といった展開です。

一見、天然だったり、残念系だったりの特徴を備えた丘研メンバーですが、どいつもこいつも一癖以上ある者達ばかりで、後出しメインであることを差し引いても、次の行動が読めずにハラハラさせられました。
中でも、見た目は美人ながら、やたらとエロワードに反応する残念系美人の江西陀梔(えにしだくちは)は、咲丘との漫才チックなボケ&ツッコミを見せてくれたり、ラブコメイベントを起こしてくれたりと、メインヒロイン以上にメインヒロインらしい活躍を見せてくれるので面白かったです。
そういった遊びの要素を織り交ぜながらも、メインストーリー部分では、かなりのシリアス猟奇展開らしさを感じさせてくれるので油断できませんw

というか、殺人+αといった『倫理的にダメ出しが来そう』な部分も、結構ストレートに描かれているのが問題作と呼ばれる所以っぽかったですね。
特に終盤、想像するだけで痛々しかったり、下手したら嘔吐感がこみ上げてきそうな状況も、オブラートに包まず見せつけてくるあたりが鳥肌モノでした。
ホラーではなく、陰惨さによるエグ味とでも言えば良いのか、『救いのない仕打ちを受けた結果、生み出された悲哀』的な要素が色濃く描かれているので、ドン引きしつつもゾクゾクしてしまうような印象でした。
ヤバイヤバイと思いながらも、続きが気になって読み進めてしまう作品ですねw

『知ること=支配すること』という論理で以て、世界征服を掲げる『代表』の姿に、咲丘達はどの様な影響を受けていくのか?というのが、本作の大きな見どころです。
世間的な幸せのため、とかいう考えではなく、『代表』の独断によって事件の究明及び解決がはかられていく展開なので、独善的であったり、そんな解決方法アリなの?という場面もありますが、時に温かみを、そして大体の場合には過激さを感じさせてくれる内容なので、かなり個性的な作風が貫かれていて好印象でした。
『美しい世界を、人間の手から取り戻す』事を目的に活動する『代表』の姿は、滑稽なまでに貪欲ですが、その理由となる過去について語られる件も、出来るできないや、症状の説明がつくつかないは別にして、独創的で説得力があったと思います。
オカルト事件の謎や、真実を知っていくと同時に、丘研メンバーのトラウマや生き方を理解していくことで、お互いへの信頼関係が形成されていく様子は、部活モノとしての面白みを十分に感じさせてくれますし、相手を理解していく中で、自分自身を改めて見つめ直すことにも繋がっていくあたりに、精神的な成長要素も含まれているのが見事でした。
新たな能力の獲得ではなく、今の自分を受け入れて、そこからどうするのか?今後どうしていきたいのか?という部分について、咲丘自身が何らかの答えを出すクライマックス~エピローグまでの様子は、ある意味彼なりの『青年の主張』的内容でもあったかと。

話の展開が唐突な部分や、やや設定に違和感を感じる部分も若干ありましたが、インパクトの大きさの前では霞むレベルだったので問題ないかと。
伏線を伏線と気づかれないレベルで仕込んであったりと、読み進めたあとでおお~!と思わされた部分もありましたし、ちょっと変わった考えのキャラクター達が織り成す、歪なまでにまっすぐで、ある意味暴力的なストーリーは、普通のラノベに食傷気味な方にも、新鮮な気持ちで読めるのではないかと思います。
なので、たまにしかラノベを読まないという方よりも、自分で読書量が中~上級者位かな~?と思うような方にこそオススメしたい作品ですね。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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第15回スニーカー大賞《優秀賞》『丘ルトロジック』11/1発売!






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