gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

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機動戦士ガンダムOOセカンドシーズン第20話『アニュー・リターン』の感想レビュー

2009年02月23日 13時18分03秒 | 機動戦士ガンダム00 2ND SEASON
アニュー機が爆発寸前、ライルを巻き込まないようにそっとケルディムを押し出した様子に、彼女の愛を感じずにはいられないお話です。

アニューが死んでしまうこと自体は、オープニングやエンディングからもそれとなく雰囲気が出ていたのでありうるかなと思っていた方も多そうですが、刹那に撃たれるというパターンまでは予想していなかったので驚かされました。

アニューを撃たないとライルが死ぬことがほぼ確定という状況だったので、やはりやむを得ないかという気がするわけですが、そこに至るまでのシナリオ運びが緻密に計算されていた所に脚本を手掛けた黒田さんの凄さをまざまざと見せ付けられた気がします。

男であるラッセに抵抗されたら困るので銃で撃つ、

最もか弱いミレイナを人質に取り、それを追いかける途中でさりげなく刹那が脳量子波を感じ取って迷いなくアニューの居場所へ辿り着くという伏線を張り、

同時にライルとアニューが対面する状況を作り、刹那が引き金を引くところを見せる、

イアンを倒したリヴァイブに銃を持たせオーライザーで脱出させる、

オーライザーを追う過程でケルディムにトランザムを使わせる、

捕まりかけたリヴァイブが銃でオーライザーを使用不能にし、アニューと輸送艇で逃げる状況を作る、

高速で逃げる輸送艇に対してトランザムを使えないケルディムは狙撃でしか逃走を阻止出来ないがライルは撃てなかったという結果を見せる、

ルイスの動きを自由に操るリボンズの様子をあらかじめ見せる、

刹那にライルの代わりに自分がアニューを撃つと宣言させる、

動けないダブルオーライザーとトレミーを守るためにアリオス・セラヴィー・ケルディムの3機が出ざるを得ない状況を作る、

ルイスの新型の強さをまざまざと見せ付けてアリオス・セラヴィーが孤立したケルディムを援護出来なくさせる、

完全に2人きりの戦闘でライルの愛の力強さをしっかり見せる(何度も撃破出来る機会があったにも関わらず、トドメを刺さないライルの格好良さに燃えました。更には人間とイノベイターという垣根を超えられる可能性も垣間見えました。)、

アニューが自分の気持ちに素直になろうとしたまさにその時にリボンズが彼女を操る事でリボンズの強さと悪者というイメージを強調、

刹那が操られたアニューを撃つと同時にダブルオーライザーの力がリボンズの干渉を阻害する様子を見せる、

ダブルオーライザーの力でライルとアニューの気持ちを最後に確かめあわさせる、

戦闘後にライルが刹那にやり場のない怒りをぶつけるシーンを見せてやりきれなさを演出しつつ地球のマリナの歌声が聴こえる程になった刹那の肥大化していく能力を印象付ける、

ライルとアニューの悲劇を見た沙慈が自分とルイスの結末を不安がる…

と、全編に渡って無駄な要素が無いのがスゴいなと思いました。
コレらの要素の絡まりあいが、アニューの死をより悲劇的なものにしているのではないかと。
リボンズが意識を乗っ取ることはともかく、それ以外の歯車のどれかが違っていれば、アニューは死なずに済んだかもしれないと思うと、彼女の死が更に悲しく感じられますね。

アニューと一緒にいたいという、ライルのたった一つのささやかな願いすら叶えられなかったことは、視聴者にダブルオーの世界で幸せをつかむ事の難しさを改めて感じさせたような気がします。
ここまで作り上げてきたハードな世界観が、最終回でどの様に変革されるのか、最後まで目が離せませんね。

次回、第21話、『革新の扉』

やっぱり兄妹ともかろうじて生き延びていたようですが、もう一度ネーナに狙われたりしそうですね。
そしていよいよハム様再臨?
最後まで敵として立ちふさがっても、拳で語って仲間になっても違和感が無い気がしますが、とりあえず彼の秘策に期待したいです。




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2 コメント

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Unknown (westernblack)
2009-02-24 10:27:44

賛否両論の激しい回ですよね。たいした数は回ってませんが、ここまで脚本意図にシンクロした方は初めて拝見しました
ライルとアニューのラブストーリーに徹底して集中した回だったと思います。その点では濃度が高すぎて、ついていくこと自体が大変でした(実感)戦闘もラブストーリー演出のためのものですから、戦闘自体を見たいという方を中心に、「脚本に穴があるのでは?」という指摘も(汗)でも、今回はラブストーリーに集中でよし!という観点で見ると、おっしゃる通りむしろ「穴がなさ過ぎる…」
アリオスのやられっぷりがあまりに見苦しいというのを他所様で多く目にしましたが、「アニューを殺さざるを得ない」流れを作るためのやられ役というご示唆に完全に同意です。これも明確なものとしてはこちらで初めて目にしました。不謹慎ながら美しい作劇に脱帽です。末期の会話も、さすが「おねがいティーチャー」でならしたラブストーリーヒットメーカーの技!しかしガンダムでのこの技を使うとは…。でも濃度高すぎで見ていて疲れました(笑 すいません)
ただ、ラブストーリーに乗れないとクエスチョンを感じやすい脚本だったとも思います
最後に、ここまで解析されたgurimoeさんにも脱帽です(マジです)
それでは失礼します
返信する
>westernblack様 (gurimoe)
2009-02-24 23:44:44
・コメントありがとうございます。

そこまで褒めていただいて恐縮です。
むしろ書いている時に上手く伝わるか自分でも不安だったので、きちんと受け止めて頂けただけで感無量です。

自分の場合は輸送艇でリヴァイブを拾った時に、あんなにスピード出るならケルディムで追っかければ良いのに?と思ったのがきっかけで、ワザと上手くいかなくしているのだと判断したわけですが、イアンさんに止めを刺さなかったりする部分など、確かに不自然さの方が目立ちすぎる部分が多かったですね。
あの時点でオーライザーの武装が完全で、使い方も理解されていたら、今回が「トレミー最後の日」になっていたかもしれませんしww
イアンさんが生きていないと修理自体も出来ませんからね。

一方、それを踏まえても、やはり1期からの熱心なファンの方々には、マイスターズの不当に弱々しげな扱いに憤りを覚えるのもやむなしだとも思います。

確かに最速を誇るはずのアリオスが真っ先に直撃されるのはなんだかなぁという気がしますし。
脳量子波を使えず、マリー(ピーリス)の安全に気を割きながら戦闘なので、本来の実力を発揮できないという事なのかもしれませんが、それならハレルヤが出てきたときは更に異常な強さを見せるのか?というのも今は不明ですからね。

というか、gurimoe自身としては、あの曲がるビーム自体が今後への伏線ではないかと予想しているので、アリオスに当たった事自体はそれほど問題という風に思っていなかったので、他ブログ様を回った時には新鮮でした。

ルイスが曲がるビームを扱う機体に乗ったということと、リボンズがルイスを操るということから、例えば意識を乗っ取られたルイスがビームを撃たされた後、沙慈の声で正気に戻り、目標に当てないようにする、みたいな展開があったりするのかなと妄想中です。
「あ、この前アリオスですら避けられなかったのにもう駄目だ~!」と思わせておいて助かる、的な。

しかし、それなら逆に、ルイスが撃ったビームをリボンズが曲げて沙慈か誰かを撃破するみたいな展開もあり得るかもしれませんし、まだまだどうなるか判りませんね。
どちらにせよ、意識的にビームを曲げられることが前提なので、何の確証もありませんがww

また、ダブルオー以外のガンダム全機をボロボロに近い状態にして、補給に行かざるを得ない状況を作るのが目的だったのかもしれませんね。
敵に対抗してついでにパワーアップとか。

結果的にアニューは残念なことになってしまいましたが、その分、ルイスには違った結果が待っているように祈りたいと思います。
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