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火の国、風の国物語1巻の感想レビュー(ライトノベル)

2009年01月02日 17時43分45秒 | ライトノベル・小説
富士見ファンタジア文庫のラノベ、『火の国、風の国物語-戦竜在野-』(師走トオル先生原作、光崎瑠衣先生イラスト)を読み終わったので感想など。

シリーズ1巻となる本作では、主人公アレスと謎の精霊パンドラとの出会い、ヒロインであるクラウディア王女との絆など、物語のベースラインが丁寧に描かれています。
世界観も、まさに王道ファンタジーなので、幅広い読者層に受け入れられるかと。

姫を守って戦う勇敢な騎士の物語、という定番のシチュエーションを踏まえつつ、その力は彼の努力で身に付けたものだけではなく、瀕死の重傷を負った際、突如現れた精霊との契約で与えられた謎の力によるものも大きかった…というミステリアスな設定をプラスする事によって、より魅力的なシナリオを作ることに成功しています。

パンドラが美少女であるということ自体も目を惹きますが、特に注目なのは、彼女自身の目的が、必ずしも正義という訳ではなく、アレスに誰かの血を流させようとする不吉なものであることでしょう。

更には、彼女が使えている主の存在が謎だらけで、様々な未来の出来事を助言しつつも、なぜそれを教えるのかについては意図的に隠していたりするので、怪しさ爆発です。
( ̄○ ̄;)

パンドラ達の助言に翻弄されつつ、自分自身の最善を尽くそうと努力するアレスの姿が格好良く、また、その力は一騎当千ということもあいまって爽快です。
そんなアレスが間違った方向に誘導されないか、読んでいる自分達はハラハラドキドキしつつ見守っている気持ちになれるかと。

アレスと周りの人たち自体は基本的に善人で、進んで悪を行ったりはしませんが、彼等の所属する王国軍の相手は、残虐な仕打ちをする領主に対抗すべく組織された反乱軍であるというのも、物語の重要なポイントです。

農奴出身の寄せ集め軍隊でありながら、強大な王国軍に立ち向かえた背景には、風の戦乙女と呼ばれる強大な黒魔術を操る少女と、天才的な指揮能力を持つ若き指導者の存在が見え隠れする…って、相手側の方が主人公っぽいかも。
(^_^;)

それもそのはず、先にドラゴンマガジン誌上で連載された短編は、その指導者ジェレイドこそが主人公として活躍するお話でした。

彼らの活躍は2巻でさらに描かれますが敵が単なる悪役ではなく、それぞれの理想のために戦おうとしている様子に燃えまくりですね。

5巻まで発売中なのをまとめ買いして来たところなのでまだわかりませんが、敵味方2つの視点から大きな戦乱を描き出そうとするのが本作の見所の様です。

英雄と呼ばれてもおかしくない実力を持った、キャラクター同士のぶつかり合いに期待が高まります。

戦場には出ないクラウディアにしても、その王族としてのものの考え方など、実年齢よりも上の聡明さが伝わって来ます。
可愛いだけではなく、重責を果たすために最善を尽くそうとするその使命感に心打たれました。
その前向きな姿勢はアレスとも共通する所があるかもしれません。

以上のような正統派戦記物語としての定石を踏まえつつ、従軍神官として義妹のエレナを起用したり、クラウディアの付き人にメイドのシオーネを配したりと、最近の読者層が喜びそうなアクセントを加味していくセンスも巧みです。

女性キャラだけでなく、男性キャラも各種取り揃えられているので、女性読者の受けも良いのではないでしょうか?

特に、実力はまだまだですが、美少年な剣士、レオンは物語内での動かされ方も非常に良かったです。
意外なオチ…かと思いきや、更にもうひとひねりあったので読み切れませんでした。
良い意味で出し抜かれました。
(^^ゞ

気になった方は是非書店でチェックなさってみて下さいませ~。



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