gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

ゲーム・アニメ・ライトノベルの感想サイトを目指します。Twitterでもつぶやいてみたり。

絵本作家・百灯瀬七姫(ももとせななひめ)のおとぎ事件ノートの感想レビュー(小説)

2015年09月09日 16時34分33秒 | ライトノベル・小説
宝島社文庫から、『絵本作家・百灯瀬七姫(ももとせななひめ)のおとぎ事件ノート』(喜多 南先生原作、やじるし先生カバーイラスト)が発売中です。

表紙は、ヒロインの七姫と智三。
絵本作家という肩書きとシンクロさせたデザインが印象的ですね。
拙者もミステリアスな美少女に振り回されたいでござるw

お話的には、不吉な噂が多い不登校のクラスメイト・百灯瀬七姫の家にプリントを届けに来た主人公の智三が、彼女の奔放さに振り回されながら、学校で起きた不思議な事件に次々と巻き込まれていくことに……という、童話ミステリー系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。

ラノベでデビューされた喜多先生らしく、ラブコメや美少女要素多めの導入になっていますが、童話のトリビアや見立て要素をふんだんに織り込んだ事件の数々は、七姫の独特な視点に基いた推理によって容疑者の心理や事件背景を容赦なく浮かび上がらせられることになり、予想より重めな真実やほろ苦い結末が導き出されていくのが新鮮&驚かされました。
登場する童話のあらすじについては、劇中で丁寧簡潔に語られているので、童話の予備知識ゼロでも問題なく楽しめるのは(・∀・)イイネ!!

各事件が有名な童話作品とシンクロしており、それぞれ起承転結が明確な短編集的構成になっているのですが、少しずつ増える事件の関係者達が、最終的にどう七姫の正体と関わってくるのかが大きな見どころ。
いよいよ最終局面!というタイミングで、実は超序盤から大掛かりなトリックが仕掛けられていた事に気付かされる演出が鮮やかで、お見事でした。
進行に合わせてお行儀良く、七姫が童話のどのキャラクターなのか予想しながら読み進めているだけでは絶対に辿りつけない真相に、思わず茫然自失してしまいましたが、それだけでは終わらせず、エピローグに心憎い追加イベントを用意して、上手く物語的な決着がつけられているのが好印象でした。

読む人によっては、エピローグを入れないほうが独特の余韻があって良いと感じるかもですが、そこは童話に地方差で何種類もの結末がある場合と同じように解釈すれば良いかなと。
実際、劇中であれだけやらかした某人物が、倫理や感情的に許されるのかというと疑問が残りますが、デレっぷりが可愛かったので個人的には良し( ´∀`)bグッ!
ラブコメ的には、ハーレム感が出てきましたし、七姫との純愛を基本としつつも他のヒロインズからの好意が見え隠れして良い塩梅なので、他の童話をモチーフにした事件も続きで読んでみたいですが、七姫の正体というお話のオチが綺麗についたので、その辺りを自然に続けられるような調整が必要になるかしら。

自分はほとんどラノベしか読まないので、せっかく魅力的なヒロインズがいるのだし、出会いシーンやシナリオ的な見せ場には挿絵が欲しいなぁとついつい思ってしまいましたが、一般小説・文庫本として出版されていることを考えれば、不必要なイメージ付けは控えて読者自身に想像させるほうが良い場合もあるかなと。
大学生や社会人ではなく、高校生が主役のお話なので若い世代にも読みやすいと思いますし、みずみずしい青春時代を追体験したい方にもオススメ。
読後に作中に登場した童話作品の原典にあたってみるのも良いかもしれませんね。


気になった方は是非チェックなさってみて下さいませ。


宝島社公式サイトへはこちらから


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

blogram投票ボタン


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。