通訳案内士の気ままな生活

現役通訳ガイドのブログです。プライベートから気になる収入などの話まで!?包み隠さずお話します!

ボランティアガイドの功と罪

2010-12-19 21:52:12 | ガイド日記
さて私たち通訳案内士は有償でガイドをします(ボランティアのような仕事も多い・・・)が
ボランティアの方々は基本的に無償でお仕事をされています。

ボランティアガイドさん達は
観光庁の進める、新ガイドシステムで
大いに期待されているグループなのですが
果たして彼らは有償ガイドになりたいのでしょうか?


実はある自治体のボランティアガイドさん達が
色々な無償ツアー(ガイド分の交通費のみいただく)を実施されています。
先日このツアーのガイドをされているという方と
お話することができました。

その方曰く、やはり色々なコースの勉強をするのはとても大変だ。
そして、無償ということもありお客さんも無断で不参加のことが多い
ということでした。

彼は普段はフルタイムでお仕事をされていて
お休みの日のクラブ活動のような感覚で
ボランティアをされているようです。
また、日ごろからさび付いた英語力に
磨きをかけたいという思いもあるようです。

このような方がお金をもらってしまうとどうなのでしょうか?
まず、お金に見合うサービス(ガイディング、旅程管理、その他の情報提供)
を求められますので、プレッシャーになります。
仕事が忙しかったからという言い訳もできません。
ガイドも仕事になってしまったのですから。
そして、英語力に磨きをかけたいというのもちょっと違ってしまいます。
お客様にきちんとご案内できる英語力を事前に身につけなければいけません。

プロとボランティアの大きな違いは
チェック機能が有るか無いかだと思います。
お金を払ったお客様は厳しく、
何かしら不手際があれば、クレームにつながるでしょう。
またクレームに対しても真摯に対応して
同じことを二度とやらないように自己研磨する。
これを怠れば自然淘汰されて、仕事ができなくなります。
ボランティアの場合は無償ですので
お客様もさほど不満も言わないでしょうし、
理不尽なことを言われたら、言い返すこともできるでしょう。
どこまで自己研磨するかも自分次第です。
もちろんプロでも処世術だけで生き残る人もいますし、
プロ並みの力をもったボランティアの方もいます。

お金をもらってしまうと
逃げ道が無くなってしまいますので
楽しくないことも多くなります。
すでに安定した収入のあるかたがそこまでやりたいかは疑問です。


なので観光庁が期待してるほど
新ガイド制度というのは上手くいかないのではないかと思います。
1時間英語でガイドしようと思ったら
それなりの英語力と知識が必要になります。
それがきちんとできる人は
ガイド試験も受かると思いますし、
受からない方には重荷だと思います。


ということで新ガイド制度自体はあまり心配してません。
ただ、なし崩し的にガイド料金がどんどん下がっていくという傾向になるのだけは心配です。

通訳案内士法が規制緩和されて喜ぶのは
ボランティアの方々ではなく
今まで違法ガイドと呼ばれてきた人たちです。
その人達が今更、日本政府が作った新ガイド制度に従って
研修を受けるとは到底思えませんが。

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