将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

選挙だ!

2009年08月20日 | 社会運動
かつて「労働族のドン」と呼ばれた村上正邦氏が知的障害のある娘の手を引いて国会を案内する姿を見たという人がいる。身内に障害者のいる国会議員は意外にいるもので、「防衛や農政には興味がない。障害者施策をやりたくて議員になった」と公言する自民党議員もいれば、「障害族議員」を自任する民主党議員もいた。公明党にも子どもに障害のある熱心な議員が何人かいる。彼らが障害者関連の政策に尽力してきたことは関係者の間ではよく知られている。

 障害者福祉の歴史をひもとけば、母親が孤立無援でわが子を背負い、父親の存在は総じて希薄だった。せいぜい養護学校や施設のバザーでエプロンを着て焼きそばを焼くのが、良き父親だと言われた。それを思えば、最近の国会議員たちはあっぱれではないか。障害者の家族という属性を自らの職業に生かし、社会に影響力を行使する姿は頼もしいばかりだ。

 ところで、投票する側にも身内に障害者のいる人は多い。身体・知的・精神の3障害の手帳を持つ人は700万人以上。それぞれに両親や祖父母やきょうだいがおり、親族を足していくと、少なく見積もっても2000万~3000万人にはなるはずだ。障害者福祉に切実な関心を持つ有権者層である。こうした人々は土建会社にも農家にも郵便局にもいて、いわゆる業界票の中に紛れ込んでいた。最近は個人的な関心に投票行動が左右される傾向が強くなった。障害者とその家族は各党の議席数に影響を及ぼす大票田、なんてあんまり思われていないのだろうか。【野沢和弘】<絵・伊賀高史>

毎日新聞 2009年8月20日 東京朝刊


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