Along with the Mekong

メコン川の流れのように

タイ/日本 サブカルチャーと舞台芸術

2011年11月04日 | タイのこと

オモイッキリ引きこもりのmame。ことに6月以降は、誰とも会いたくない~、話したくない~、食べたいものない~、やりたいことない~、という状態が続いている。生まれて初めての状態を自分でもどうしたらいいのかわからず、このブログもずっと開くこともなく放置したまま、とにかくぼう~っとしている。

そんなところにお声掛けをいただき、何故だかその気になってうろうろ出かけて行った。
ところは池袋のとあるホテルの地下。
そこのレストランで、タイから来日中のPawitさんと日本の若い演劇人の鼎談があるのだという。

タイに行くと必ず会う知人友人の一人であるPawitさんの通訳だし、オーディエンスもあまりいないというので軽い気持ちで引き受けてしまったのだけれど、どうやって広報したのか、ちゃんと観客もいて、Pawitさんは例によって予定よりずっといっぱいお話をされ、おんぼろのmameはもっとボロボロになった。情けなし。

Pawitさんはタイの劇評家で、名門チュラロンコン大学で教鞭もとっている。鼎談のお相手は、バナナ学園純情乙女組の二階堂瞳子さんと劇団ロロの三浦直之さんという、劇画やオタク、地下アイドルなんて言葉がちりばめられた元気いっぱいの公演というかイベントを創っているmameの娘や息子のような世代の演劇人。そして鼎談のタイトルは「タイ/日本 サブカルチャーと舞台芸術」。

二階堂さんは自身が地下アイドル出身で、世に送り出している作品は自身の世界そのものらしい。
一方三浦さんは、劇作の手法として劇画のテクニックをつかっているのであって、自身はオタクではないらしい。
二人とも作品に向き合う姿勢が真摯で、それぞれの表現活動の背景にある彼らの意志や思考を言葉で伝えようと努力してくれた。さらにはとても礼儀正しく、ちょっと意外なほど、気持ちのいい若者たちだった。

Pawitさんは二人の作品を観ていたが、タイにはまだこの手の演劇作品はなく、今のタイでは、現代演劇そのものがサブカルチャーだと話をまとめた。そしてその理由は、例えば、セックスやゲイというテーマは、メインストリームの演劇やTVではタブーとされている一方、現代演劇やいわゆる小劇場ではよく取り上げているからだと説明した。

通訳しながら、いわゆるきわどいテーマを扱いながらも真面目でカチカチの演出のタイの作品を思い浮かべていた。遊んでいるようでも、基本はとても優等生なタイ演劇。小劇場での演劇に関わる人たちは、創る側も観る側も、いわゆるインテリを自負する人たちが主流という現状だから仕方ないかもしれない。

近年急成長を遂げつつあるタイの現代演劇だけれど、このあたりにノビシロがたっぷり残されている感じだ。成長の後の“爆発”はココに刺激がキタときに起きるような気がする。見届けたいなぁ。

しかしまぁ、あまりに久しぶりに外の空気を吸ったmameは、翌日はぐったりと寝込んでしまった。
まだまだ、とほほ…なmame。
なんかとにかくお疲れ様な久方ぶりのお外の空気だった。
おつかれ~~~


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