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 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

キャプティビティ(ローランド・ジョフィ監督)

2009-01-27 | Weblog
キャスト;エリシャ・カスバート、ダニエル・ギリス、プルイット・テイラー・ビン、マイケル・ハーネイ、ラズ・アロンソ

評価:

コメント:昔は予算削減のためにイタリアやオーストラリアでロケをしていたが、この映画ではロシアで撮影。しかもロシアの美術担当者がニュージャージーの「家屋セット」を作成したという。
 アメリカの家のようでいてしかし微妙にどこか違う…といった違和感が逆に効果的な美術セットとなっている。
 最初の「犯人」の世界は「緑色」がトーンになっているが、だんだん灰色の「うちっぱなし」のコンクリートの壁が場面の基本舞台となる。設定はどこか韓国映画「オールド・ボーイ」にも似ているが、低予算映画とはいえやはり固定費用は相当にかかっていると見た。砂がさらさらと「ハコ」の中に落ちていくシーンと砂時計をかぶらせる演出はさすがローランド・ジョフィ監督。
 主演のエリシャ・カスパートはメリル・ストリープを模範にしているというが、こうしたB級スリラーの難しい役どころもしっかり演じて、しかも日本公開時にもちゃんとファン・サービスで来日しているのは嬉しい。実は冒頭のシーンは黄色がトーンになっているのが画面のトーンをあえて異ならせることでラストが「なるほど」と思わせることにもなっている。
  もともとはもっと手のこんだストーリーだったらしいが、伏線は実はタロット・カード「吊るされた男」のカードが映画でもちらっとうつるが、このタロット・カードは「ダヴィンチ・コード」でも有名になったグノーシス派の流れを汲む一つのシンボルでもある。「占い」とも実は関係はない。輪廻、再生、霊的復活といったモチーフが描かれているが、「吊るされた男」の霊的復活は別のところで映画ではしっかり描かれている。
 また、主役のモデルがバーで飲むのは「アップル・マティーニ」。つまり「リンゴ」なのだが、アダムとイブのエピソードを彷彿とさせる。オシャレなカクテルバーから追い出されて地獄へといざなわれる「イブ」。そしてさらにT.Sエリオットの「荒地」もこのドラマのモチーフに。もう少し上映時間が長ければそうした伏線についても映像化できたのかもしれないが、どこか中途半端になってしまったのはホラー映画は1時間半が限界という原理原則に従った結果だろう。異常犯罪ではあるが、しかしそこにある種の論理性と手がかりを残していくという「羊たちの沈黙」からの伝統はこの映画でもしっかり遵守されている。

ストーリー
:トップモデルのジェニファーはバーの帰り道になにかしらの薬物をかがされて地下室に閉じ込められる。そこで食べ物や飲み物を一方的に与えられる生活が続いたが、ある日隣室にもだれか別人が監禁されていることを知る…。二人で脱出を試みようとするが…。

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