ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ゴッドファーザー(フランシス・フォード・コッポラ監督)

2008-01-13 | Weblog
ストーリー;ドン・コルレオーネ。5大マフィアの一つを率いるリーダーは、相談ごとに乗りつつ、適切なアドバイスと判断、そして用心深さを失わない。そして「その後」に備えた「恩義」についてもしっかりその見本を息子達にさりげなく示す。落ち目の歌手ジョニーに映画の役を与える場面はフランク・シナトラを激怒させたエピソードは有名(「地上より永遠に」の役についていろいろな噂が存在する)。順調に見えた日々だが麻薬ビジネスの陰がしのびよる。賭博や売春とは異なり麻薬に破滅的な匂いを感じたドンは麻薬取引を拒否するが、背後にいるタッタリアさらにはもう一つの黒幕が勝負をしかけてきてドン・コルレオーネは銃弾をあびる。表の世界を歩む予定だったマイケルは電話番として過ごしていたが、追い詰められた麻薬売買人から仲介を頼まれる…。
出演 ;アル・パチーノ、マーロン・ブロンド、ダイアン・キートン
コメント;マリオ・プーゾの原作を中学生の時に読んだのが「ゴッドファーザー」との初めての出会いだった。それから時をへて、途中映画館でリバイバル公開された「ゴッドファーザー」なども目にしつつ、凄い映画だと思いながらももう一度見るのが非常にためらわれた映画でもある。この映画が公開されたころのマーロン・ブランドは、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」で一見ラジカルにみえて実は退屈な中年男という設定を演じて大好評をはくし、そして「ゴッドファーザー」ではマフィア映画の「偶像」ともいえるドン・コルレオーネを演じた。立ち上がって演技をしている様子の記憶がなかったのだが、途中新婦タリア・シャイアと踊る場面などもあり、座ってばかりではなかったことが確認できた。ラストの圧巻はタリア・シャイアが演じるコニーの娘のゴッドファーザーに、マイケル・コルレオーネが就任する場面だろう。この娘のその後はさらに時間をへてPART3で明らかにされるが、コッポラが退屈な善と悪の対立という図式ではなく、あえて三作にわけて人間の「業」みたいなものを描いた「重たさ」をあらためて感じる。タリア・シャイアは「ロッキー」シリーズでエイドリアンを演じた印象が強いが、ゴッドファーザーシリーズでも終始「不幸」の陰を画面にただよわせる。ソニー・コルレオーネを演じたジャイムズ・カーンはこの映画で「暗殺」されて、21世紀に「ドッグヴィル」で別の映画のドンとして出演。メリル・ストリープの元恋人ジョン・カザールがその後の暗い未来を顔と雰囲気に漂わせている。こうした画面にでるだけでその後のすべてを描写してしまう役者が1978年に早くも亡くなってしまったのはあまりにも惜しい。若きロバート・デュバルが早くもトム・ヘイゲンとして「相談役」になっているのがすごい。「ディープ・インパクト」や「フェノミナン」でそれぞれベテラン宇宙飛行士あるいはベテラン弁護士として画面の片隅にでてきて強烈な印象を残す役柄のルーツをこの映画にみる思いがする。ニーノ・ロータの甘美なメロディが後半からずっと流れており、この薄暗いメロディが3つの名作を結びつける。
 裏切りと背信。心ならずもファミリーの未来をになうことになったマイケルが、「まっとうな表の世界」から「裏の世界」=「悪」の世界へ一歩足を踏み出すシーンの演出が秀逸だ。遠くで電車がゴットンガットンと走る音がして、マイケル・コルレオーネはひとしきり逡巡した後、扉の向こう側にでる。その扉の向こうには、マフィアのドンとして悪のかぎりとその報いをじわじわと受ける「その後」が待ち構えている…。
 第1作から順順に第2作、第3作とみる方法もあるが、第3作から第1作をみると、「その後」のルーツがところどころに見出され、その「重さ」にただひたすら沈黙する175分を過ごす…。

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