ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ゴースト・ドッグ(ジム・ジャームッシュ監督)

2008-01-03 | Weblog
ストーリー;おそらくはニューヨーク。空を飛ぶハトをワンカットとらえた後、カメラは俯瞰しつつニューヨークの古びたアパートメントの屋上へいく。主人公のゴースト・ドッグは「葉隠」「武士道」を愛読する過去の知れない殺し屋。あるコミュニケーション手段でマフィアと連絡をとり、ボスの娘とできている男のもとへ。そこでは娘が「羅生門」を読んでいた‥。
出演;フォレスト・ウィテカー、クリフ・ゴーマン、ジョン・トーメイ
コメント;ブルーの画面を基調としてゆったりと画面は流れ、独特の音楽が時間を刻む。緑の木々が揺れ夜のニューヨークが素顔でたちあらわれる。これまでどのハリウッドでもみたことがない街の風景だ。そして空を飛ぶハトに対してゴースト・ドッグがふる赤いフラッグが美しい。見ている人間にはわからないがゴースト・ドッグは「仲間」を察知してそれぞれ挨拶をかわす。そして実は言語ですらコミュニケーションには重要でないことを映画の途中で知ることになる。「真昼の決闘」を思わせるラストや小気味のいい会話。シナリオの完成度ももちろんだが、鳥や木、そしてアイスクリームといった小道具がなんてことはなく、しかし存在感をもって画面に登場する。一応武士道やらなんやら日本紹介めいたものがあらわれるのだが、これまでのどのハリウッド映画よりも日本の雰囲気を伝えてくれる。「ラスト・サムライ」の武士道が虚構であるとするならば、ニューヨークの画面の中に明治維新のころのつかの間の「武士道」の片鱗がみえる。とにかく美しい‥。撮影はあのロビー・ミュラー。天才的なまでの画面構成と光と影だ。

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