ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

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硫黄島からの手紙(クリント・イーストウッド監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー ; 太平洋戦争末期、日本の国土であり、さらに米軍に占拠されれば内地への攻撃拠点になることが明らかな拠点、「硫黄島」に新たな指導者が就任。栗林中将だ。陸軍と海軍との確執や栄養状態の悪い兵たちへの思いやりなどで、多少の摩擦をひきずりながらも擂鉢山にトンネルを掘り、米海軍との長期にわたる銃撃戦を展開した。食事が不足し、敗戦も確実な状態で兵士たちはいかに生きようとして死んで行ったか。粗筋は実はあるようでなにもなく、ただひたすらラストの夕日が美しい。
出演 ;渡辺謙 、中村獅童 、二宮和也
コメント;「父親たちの星条旗」は実話だったが、こちらのほうはかなりフィクションが入っていると思われる。主人公も実在した人物だったかどうかはわからない。ただ日本の史実や当時の雰囲気などは、日本の監督以上に的確に本質をつかんだ演出をしていると思う。また当時の日本軍部の陸軍と海軍との内部の対立や硫黄島をめぐる戦争の状況なども的確。その中で孤立無援の厳しい戦いを常識以上に抵抗しつづけた栗林中将の生き様がすごい。ラストは地獄をおもわせるサラサラの砂の上で死ぬことになるが(史実ではどこでどうなったのかは不明らしい)、史実を超えたまさしく映画としか思えないフィクションの連続。夕日が沈む光景のあとに再び2005年の日本にカメラは舞い戻り、男たちの「声」が映画にあふれでる…。まさしく傑作で、おそらく「父親たちの星条旗」よりも高い評価を受けた点。それはラストまでついに「教訓」めいた台詞が一つもなかったことの相違かもしれない。結論はないが、「思い」や日本の「イメージ」があちこちにあふれ出し、とてつもないエネルギーを感じさせる名作となっている。


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