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ヒーローズ シーズン2(DVD第1巻・第2巻・第3巻・第4巻・第6巻)

2008-10-23 | Weblog
キャスト:マイロ・ヴィンテミリア、マシ・オカ、ヘイデン・パネッティーア、エイドリアン・パスダー、センディル・ラママーシー、アリ・ラーター、グレッグ・グランバーグ、ジャック・コールマン、ザカリー・クイント、ノア・グレイ=ケイビー、アデール・ティシュラー、ジェームズ・キーソン=リー、ダニア=ラミレス、デヴィッド・アンダース、田村英理子、クリスティン・ローズ、ニコラス・ダゴスト、ダナ・デイヴィス

評価:☆☆☆☆

コメント:シーズン2に突入。シーズン1の最後の第23話でも、「次」の展開がある程度伏線として敷かれていたが、DVDの第1巻と第2巻には、第23話~第27話までが収録。DVD2巻で合計4時間近くかかるが、「ヒーローズ」ファンにはむしろ短く感じるほどだろう。
 このテレビシリーズでマシ・オカはサターン賞助演男優賞を受賞。自然な演技に好感がもてる上、もっとも平均的な日本人の姿ともいえなくはない(これまで海外の作品に登場してきた日本人像にはやや偏りがあった。マシ・オカの演じるヒロ・ナカムラは実際、こういうタイプの日本人がけっこう存在するだけに等身大の日本人の若者といった感じだ)。  
 映画ではないので、すでに4話時点で、シーズン1との矛盾点もいくつかはある。「この人は記憶をなくしているはずだ…」とか、いろいろツッコミの場所もあるのだが、それはそれ、テレビ番組だからこその臨機応変なストーリー展開が逆に面白さを産んでいる。しかも第4巻の「4ヶ月前…」というタイトルで視聴者が当然感じるであろう「矛盾点」のかなりの部分が解消されている(おそらくアメリカ放映時点で質問が寄せられてその解消が必要だったのではないかとも推定されるが…)第1シーズンでは正体が中途半端だったキャンディス(ミシェル)の正体やその後も「ある程度」は明らかになる。またDLについても追加のエピソードが挿入された。テーマはやはり世界滅亡で「全人類の死亡率93パーセントを招くシャンティ・ウイルスの蔓延を事前に阻止」することがヒーローズの課題となる。
 ロケーションも前回よりも幅広くなり、アイルランドやベネズエラ・スリア州、ホンジュラス、グアテマラ、メキシコ、ハイチのポルトーフランス、日本の木曽山脈といった地域が展開。すでにアメリカ大陸の東西南北のあちこちにヒーローは展開しているが、さらに中南米にもロケーションが広がるほか、日本を想定したロケーションも増加。田村英理子もゲスト出演の中、1671年の日本で生きる鍛冶屋の娘を演じている(もちろん実際にはこの時期は江戸時代で、それほどサムライが刀をぬいて暴れたり、あるいは、英国人が貿易のはざまに脱走して商売したりといったことは当時では不可能だったはずだがそれもテレビ番組ならではでの面白さ)。 さらに第5話からウクライナのオデッサとカナダのモントリオールが登場。カリブ海ではハイチ人出身の「ヒーロー」も第1シーズンから登場しているが第2シーズンではハイチのポルトーフランスで「ヒーローズ」が病に倒れているというエピソードも混入されている。
 こういう海外ドラマがまとめてみれるというのも最近の国際化の恩恵か。アメリカではすでに第3シリーズが放映。まだまだ最初の4巻しか見ていないだけに今後のシーズン2の2巻分の展開がさらに楽しみ。
アメリカでは第2シーズンの最初はかなりもたついた展開だったため(実際謎が多すぎて一つ一つ覚えていられない…)やや視聴率が落ちたらしいのだが、その後昨年の脚本家ストライキ事件の余波を受けて本来はもう少し長くする予定だったのが急遽第2シーズンは第11話までということになったようだ。したがってDVDも第6巻までと第1シーズンの半分の分量になっている。第1巻から第3巻までは広大にテーマや謎が拡大して、しかも人間関係も第1シーズンの緊迫したものからやや牧歌的なムードすら漂うが、第4巻からはシナリオはかなり急速に動き始めるとともに、矛盾点の解消や前半の「謎」の解明も含めて全体の整合性をとりながらスピードアップが逆に番組の面白さを増している。
 ドラマということだけあって、映画とはまた微妙に異なる生活感のあふれる台詞も多い。

撃たれた警官はたいてい労災補償を受けて警官を辞めるものだが…」といった台詞にアメリカの警察官の苦労を知るし、テキサスからカリフォルニアに転校したクレア・ベネットの生活は明らかにテキサスとは違って「洗練」された雰囲気。チアリーダーが相変わらずテキサス以上にクラブ活動では「エリート的」な扱いを受けているのは画面からも明らかで、日本の高等学校のクラブ活動とはちょっと事情が違うようだ。運動神経やルックスそのほかにかなり高度な選別基準があるようで、それは応募資格書類などもあったり、「チアリーダーのトップである以上、有能な人間を勧誘する資格があるわ」といったような発言はまず日本では考えにくい。デビーといったチアリーダーがクラブ活動を牛耳っているのだが「テキサスと同じ」とクレアが独白する場面があり、けっこう、入部試験も含めてチアリーダーというのは、競争率が高いうえに階層社会なのかもしれない。「specialじゃなきゃだめ」という台詞はドラマの中ではクレアが通学している高等学校のほうでよく聞く台詞でもある。
「マネージャーになれば全国転勤だぞ」という台詞もでてくる。日本とは違ってこれはハンバーガーのチェーン店舗のアメリカ国内全部ということだが、転勤の辛さは日本以上かもしれない。この転勤の話の伏線にはハリケーンの被害の話があるのだが、このハリケーンの被害は映画「ダイ・ハード4.0」でも台詞の中に登場しており、ニューオリンズ付近の住民には生々しい記憶として残っていると同時に、いまだなおその傷跡が家族などに残っている様子も想像させる。
 細かい生活部分の描写はやはり映画よりもドラマのほうが描き方が丁寧かもしれない。
(発生可能な世界観)
このテレビシリーズの伏線にはSF映画の「時空間」概念があるが、それとともに、哲学者ライプニッツの「発生可能な世界」概念も基礎にあると思う。いろいろな選択の結果、異なる結果の事象がこの世界にはあらわれるという確率論のベースにもなる考え方だが、「ヒーロー」の一部は時空間を超えることができる(ヒロ・ナカムラやピーター・ペトレリなど)ので、「起こりうる世界」の一部を実際に目の前で見ることができる。第1シーズンのアイザック・メンデスも「絵画」という形で「起こりうる世界」の一つを見ることができたわけだが、絵画の「解釈」という別の作業が一つ加わるので、ヒロ・ナカムラとピーター・ペトレリの能力のほうがライプニッツ的かもしれない)。「神」が選択可能なのにもかかわらず選ばなかった世界は可能性としてのみ存在する世界であって、神が選び取った世界が実現した唯一の世界というわけだ。SFによくでてくる並行した時間軸の世界(量子力学の多世界)とも違って、キリスト教の世界では絶対神だから、選び取った世界(実現した世界)は唯一のものになる。「ヒーローズ」は可能性の世界の中から神が選択する選択肢を別の唯一の世界に変更させようとする試みといえなくもない。(同じような考え方では言語学者のソール・クリプキなどもいる。)
第1シーズンが「普通からヒーローへ」第2シーズンが「ヒーローから普通へ」の物語と総括できるが、第三シーズンの総合タイトルは「悪人」。
(細胞の有糸分裂)
自然再生のくだりででてくる概念。トカゲの有糸分裂が細胞の自然再生に関係あるのではないか…ということが示唆される。
 全11話ということで最終巻では1話分(約47分)とマシ・オカそのほか出演者のインタビューなどで構成されている。これもまた面白く、そのほかDVDに「ヒーローズ検定」なども組み込まれている。
(「七瀬ふたたび」(筒井康隆著)
どうしてもこのシリーズの「組織」をみていくと日本の筒井康隆氏著「七瀬再び」を連想せざるをえない。人の心を読み取ることができる「七瀬」はその能力があるゆえに悲劇を味わうのだが、こうした「超能力脅威説」についてはすでにこの名作が日本にはあった。ただ物語のトーンは「家族八景」や「七瀬ふたたび」のほうが明らかに暗いのではあるが…。

 ストーリー;ニューヨーク核爆発を未然に阻止したものの、マシ・オカは17世紀半ばの日本にテレポート。そして、他のものはサイラーとの戦いの中で傷つき、職場を変えて転居したり、あるいは怪我を負ってそのまま命を落としたものもいた。そんな中、ノア・ベネットとモヒンダー・スレシュは謎のウイルスの究明のほかに、組織壊滅のための作戦をねる。そしてまたシーズン1でモリーが「絶対に探したくない」といっていた「悪夢の男」がモリーの周辺にしのびよってくる…。

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