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 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(スティーブン・スピルバーグ監督)

2008-01-03 | Weblog
ストーリー;知能指数が138もあるという実在の天才詐欺師の物語。1960年代後半におよそ140万ドル(1億4千万円)をはるかにこえる小切手偽造事件をはたらいた詐欺師の物語
出演;トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、レオナルド・デカプリオ
コメント ;スピルバーグ監督作品というと「特撮」物以外はもう見る気力もないのだが、この映画は予想外に面白い出来でしかも楽しめる。コメディでもあり犯罪映画でもあるが、何より「家族」「母親」というものに渇望している天才詐欺師の役にはデカプリオがぴったり。「タイタニック」でうんざりさせてくれた爽やかキャラもこの映画では見事な「汚れ役」で、しかも10代の高校生から20代後半の国際犯罪者の役まで素直に演じ分けている。トム・ハンクスの頑固な犯罪捜査ぶりやクリストファー・ウォーケンの一癖ありそうな実業家ぶり。そしてさらには、エイミー・アダムスのなんともいえない薄い幸せぶりにどうしても感情移入する。
 詐欺師の常としてどこかでつじつまがあわなくなるわけだが、そこらの二流や三流とは違って、どうも周囲の人間を傷つけるタイプの犯罪者というわけではなかったようだ。確かに犯罪そのものは憎むべき存在かもしれないが、担当している捜査官すら感情移入してしまうほどの人間的魅力とある種の「配慮」があってこ歴史的に「天才詐欺師」として位置づけられるようになったのかもしれない。司法試験に2週間で合格したというのもあながち「嘘」とも思えない。小切手偽造は1960年代とはいえ相当な印刷技術や手形・小切手法の知識がなければ成功しなかったはず。ある種の勉強があってしかもそれを花開かせる人間的魅力があって、パイロットや医師といった職業につき、さらには医療過誤事件や航空機墜落事故などは起こさずにすんだという「マイナスの中のプラス」の効果があったのかもしれない。映画の中でエイミー・アダムスは、「ある過去」の傷がもとで親元から離れるととともに、ベッドシーンには至らないある場面を演じるのだが、「やや頭が弱くて」「家族が厳格なプロテスタント」という微妙な雰囲気の中を生きるけなげな若者をうまく雰囲気として出していたと思う。そういう人ってかなり身の回りにも実際いるわけで憎めないし、さらには感情移入する気持ちもわかるような気がする。
 
 妙に家族愛をうたいあげるわけでもなく、ただひたすらに犯罪街道を突っ走り、途中でみているほうが疲れるエピソードもあれ、最後にはそれなりに納得できるエンディングとなる。犯罪映画ではあるけれど、犯罪はみあわあないという「教訓」を残しつつ、本来はありえない連邦捜査官と稀代の天才詐欺師との友情が成立してしまうのも不可思議だが事実。スピルバーグの作品にこれまで「ウンザリ」していたのが嘘のように楽しめる映画だ。アメリカ人には「アウトロー」というのが南北戦争以後のジェシー・ジェイムス以後、一種のヒーロー的なものとして認識される部分がある。南部人ゲリラ〈北部への反感)といったものとあわせて、国税局の追加徴税に苦しむ父親と息子という関係と「義賊ジェシー・ジェイムスと牧師の父親=南軍のゲリラ隊」という関係とまただぶる。

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