ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ホステル(イーライ・ロス監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー;アメリカ出身の若い二人組パクストンとジョシュとアイスランド出身のオリーはフランスで意気投合。スイスを経由してオランダのアムステルダムで大麻や「買春」にふけっていた。あまりの乱行に宿舎への入居を拒否された三人はアムステルダムの学生アレックスの部屋に避難。そこでバルセロナではなく、スロバキアの「ブラティスラバ」に行くことを進められる。三人は勢いこんで「ブラスティラバ」に乗り込んでいくが、一人また一人と消息が絶えて行く…。そしてその宿に宿泊していた日本人女性の二人組も行方不明となり…。
出演;ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、バルバラ・ネデルヤコーヴァ
コメント;ホラー映画ではあるのだが、実際には「怪奇映画」というよりもかなりリアリスティックな映画で、設定も非常に現実的。「テキサス・チェーンソー」のような理由のない怖さではなく、「もしかすると世界中のどこかにこんな場所があるかもしれない」と思わせれるような映画設定。日本の名監督三池崇史監督も途中でカメオ出演。しかもラストに備えた重要な台詞を映画ではいう。クエンティン・タランティーノが製作していることもあってか映画の中では、「パルプ・フィクション」がテレビで流されていたりする。冒頭の場面だけでは映画のラストはまるで予測もつかずBクラスの映画としてはかなりの出来具合。最初の部分の場面進行の遅さも一種の演出だったのかもしれない。オレンジ色の屋根で彩られ、石造りの路地がゆきかう。しかもそのほとんどが昼間の場面なのだから、それで「怖い」と思わせるのがすごい。電車が走るシーンとか止まるシーンとか何気ない撮影場面が非常に美しく、スタジオ撮影された部分の凡庸さとえらい対比である。現実にプラチスラバという街は存在するが、映画と現実は違うものだろう。ブラチスラバはなんといってもスロバキア共和国の首都であり、こんなに閑散としているわけがない。スロバキア人が約80パーセント、ハンガリー人が約10・5パーセント(外務省ウェブページ参照)。元共産主義国家ではあるが、実際には低所得者に優しい社会福祉国家をめざすとされている。子供たちの人種の中にやや顔の形が独自の子供たちがまじっていたがマジャール人ではないかと推測される。大モラビア帝国時代のあとハンガリー人の支配下におかれていたことがある。2006年で失業率が9・4パーセントとやや高いが、経済成長率は8・3パーセント(いずれも外務省ウェブ2006年調査)。日本は有償資金協力を約110億円おこなっており、良好な関係を保っているとされる。映画の中で日本人旅行者がいたとしても問題はたしかにないシチュエーションだ。第一次世界大戦終了時にオーストリア=ハンガリー帝国が終焉し、当時の北部ハンガリーといわれた地域が現在のスロバキアということになる。ナチスドイツの侵攻、共産党政権、1993年に連邦解消、そして2004年にはEUに加盟している。ブラチスラボの平均気温はマイナス0・7度というから、映画にでている俳優がぜんいん厚着なのもうなづける。第二次世界大戦終了後にはドイツ人のほとんどが追放され、ユダヤ人のコミュニティも解消されたとあるが、そうしたシチュエーションの中で登場する「ドイツ人」と割礼をしている「ジョシュ」の存在は想像以上にいろいろな思惑があるのかもしれない。スロバキア出身で「ドン・ジョバンニ」「どん・キホーテ」などのマリオネット作品でパペット使いの名手として活躍しているバルバラ・ネデルヤコーヴァのふてくされた演技がなかなかすばらしい。

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