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 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

インファナル・アフェアⅢ終極無限(アンドリュー・ラウ/アラン・マック監督)

2008-01-09 | Weblog
ストーリー;「インファナル・アフェア」の第1作の直前と直後を描く。ヤンを殺害して「秘密」を封じた後、ラウ警部は庶務課に勤務しつつ内部調査を受けていた。一方香港警察保安部は極秘の捜査活動を進めており、内部調査部や組織犯罪課との捜査上のトラブルも激化。その中で新たな内部通報者として保安部警部のヨンが現れる…。
出演 ;トニー・レオン、アンディ・ラウ、ケリー・チャン
コメント ;「無間地獄」という割には第1作も第2作もピカレスク・ロマンのような趣きがなかったわけでもない。組織の掟や規律と自己の内面との分裂に苦しむ男が二人。いずれも社会正義にめざめていく一方で、犯罪者と警察官との両方の立場の狭間で苦しんでいく。この「矛盾」というのが香港を象徴しているようで興味深い。おりしもこの映画の舞台は香港の中国本土返還の時期に設定されている。資本主義社会の頂点といってもいい香港と世界の中ではもっとも強大な社会主義国である中華人民共和国。香港は本土返還以後は、社会主義の中ではあるものの世界最先端の金融センターとして機能する。「一国ニ制度」という矛盾した立場の中で暮らす公務員や市民というのは、日々の生活の目標やアイデンティティを見失うことはないだろうか。そしてそれは、もしかすると犯罪者にも影響を与えているのかもしれない。
 ブルーの画面を基調に映画はスタイリッシュな金融ビルを描くとともに、香港の下町も描く。この2つに分かれた国で、さらに社会正義と犯罪者としての自己との軸足に悩み、いずれも不眠症への世界へいざなわれる。画面でアンディ・ラウとトニー・レオンが精神科医を軸としてコントラストになって診断を受けるシーンが印象的。二股にさけた香港ではヒットするべくしてヒットした映画で、しかもそれはおそらく無限に続く「地獄」でもあり「天国」なのだろう。

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