ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

デッド・サイレンス(ジェームズ・ワン監督)

2009-02-10 | Weblog
キャスト:ライアン・クワンティン、アンバー・ヴァレッタ、ドニー・ウォルドバーグ、ボブ・ガントン、マイケル・フェアマン、ジュディス・ロバート

評価:☆☆

コメント:「SAW」シリーズで一躍名をあげた中国系アメリカ人のジェームズ・ワン監督の作品。アジア系の監督らしい色彩と「風」「雨」のこだわりがハリウッド映画の定番ホラー映画の中でやはり一種の「違い」をみせつける。「SAW」も人形が大きな役割を果たしていたが、この映画でもパペット(puppet)がとてつもなく怖い存在となる。 
 映像がなかなか面白いのに対して脚本がややお粗末なのがちょっと残念ではあるが…。この映画の中では「腹話術の人形」は不吉なもので死をもたらすもの…とされている。それが本当の伝説かどうかは不明だが、極端な装飾を施した「ビリー」という名前の人形はホラー映画にふさわしいメイクぶり。さらにヴィクトリア王朝を意識したという舞台装置の数々がまた映画を盛り上げる。
 雰囲気としては1940年代で、「現在」から始まるアパートメントの機材もレコードや古めかしいアンプ、アンティークな時計が用いられており、舞台装置のこだわりがみえる。また、照明のムラと奥行きの深さを感じさせる演出も素晴らしい。照明もあえて間接照明を用いて部屋の中が薄暗くなっていたりして、下手なホラー映画のどうにもならない照明とはワケが違う。予算はおそらくそれほどは取れなかった映画だと思うが知恵と工夫でこれだけ「見せる映画」というのが21世紀の今もこうして職人芸で鑑賞できるのは嬉しい。
 「呪いの館」(マリオ・パーヴァ)やそして1940年代の舞台の上の居住空間を流れる風やカーテンには日本の黒沢清監督の名作「叫」を思わせる雰囲気も漂う。  
 腹話術の歴史はこの映画では紀元前6世紀とされているが実際には紀元前5世紀のギリシアのエウリクレスが著名な腹話術師の始祖ということになりそうだ。奇術とのセットのショーもあるが、最近ではカウンセリングなどにも利用される局面があり、もちろん不吉なものではさらさらない。これはあくまで映画の演出の一つということだが、演出材料としてはやはり最高。特に画面全体に101体のパペットが現れてくるシーンは圧巻だ。

ストーリー:大雨の降る夜。配水管を治そうとしていたジェイミーはそれを諦めて中華料理のテイクアウトを買ってくることにする。そこへ誰かがドアの外に「ジェイミー・アーション様」と宛名を書いた大きな荷物を置いていく。妻をおいて出かけるジェイミーだったが、残された妻はアパートメントの奥に不気味な気配を感じ…。

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