ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

トーマス・クラウン・アフェア(ジョン・マクティアナン監督)

2008-01-04 | Weblog
ストーリー;メトロポリタン美術館に明細違いの馬の彫像が運び込まれると同時に金融投資家のトーマス・クラウンは印象派の絵を昼食をとりながら鑑賞する。そしてその日、時価1億ドルの絵が消えた‥
出演;ピアース・ブロスナン、レネ・ルッソ、フェイ・ダナウェイ
コメント;レネ・ルッソがだいたんなシーンをかなり演じるのだが、やや遅きに失したのかもしれない。首筋には年齢的にかなり厳しい「スジ」が写り、目尻の皺なども相当にきびしくなってきている。美術品などが相当に豪華に使用されているので、生身の人間が(レプリカとはいえ)ヨコにたつと比較されてしまうのは辛いだろう。
 42歳独身投資家をピアース・ブロスナンがうまく演じているのだが、007でもこの人は「ピータパン」的な役割だったが、この映画でも中年でありながら、少年のようにファンタジーに生きる世界を演出。メトロポリタンはトーマス・クラウンの野球場と化す。ただし、せこいのか大胆なのかわからない独自の領域でとにかく美術品をめぐる攻防は熱を帯びる。予想しないトリックと予想できるトリックとがあるが、予想できるほうについてはちゃんとセリフなどでフォローがされており、一定程度犯罪映画の歴史などをふまえてきたようにもみえる。モネのかわりにピサロをだしたり、ルネ・マグリットのイメージの多用などは非常に面白い。ラストは恋愛映画の王道を破る展開すら漂う。
 リメイク映画だが、「華麗なる賭け」(原作)にスティーブ・マックイーンと共演していたフェイ・ダナウェイがカウンセラーとして登場。それなりに楽しめるが途中あまりの成金ぶりに辟易する人もいるかもしれない。
(ルネ・マグリット)
 ベルギーの画家だが、「人の子」という絵がかなり引用されている。1898年に生まれたということでちょうど100年目を意識した引用かもしれない。シュール・レアリスムの作家だが、タイトルといい引用といい、「これは人の子ではない」という解釈も許されるぐらいのはちゃめちゃぶり。
(メトロポリタン美術館)
メトロポリタン美術館は1870年に創立され、その後1880年にゴシック建築に改築されている。約6000の美術品が公開されているが実際には24,000の所蔵品をもつといわれている。
(無意識と幼児性)
さて無意識というものはフロイト以後の話になるのではなかろうか。そもそも意識というものが「意識」されるには、デカルトとフロイトの研究成果が必要だったと思う。20世紀初頭のアンドレ・ブルトンの「シュールレアリスム宣言」の影響もルネは受けていると「されている」(実際にはほんとうにそうなのかどうなのかはもはや誰にもわからないが)、夢や幻想といった世界をどんどん作品にとりこんでいったというのが大きな流れであろう。でもそれで人間が「解放」されたかどうかはまだわからない。二次元の映像の中で人間が解放されるには夢でも幻想でもなく、現実の人間関係でしかなかった…というのがこのオチか。それだとするとなぜシュールなのかあるいは印象派でなくてはならないのかはまるでメトロポリタンのように不可解な迷路の世界となる…。


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